ピアス排除とは?排除の前兆から対処まで

ピアス排除とは?排除の前兆から対処まで
目次

ピアス排除とは

ピアスは身につけるだけで印象を変えてくれるアクセサリーですが、体にとっては金属や樹脂といった異物でもあります。そのため、状況によっては体がピアスを外へ押し出そうとする反応を起こすことがあります。これが「ピアス排除」と呼ばれる状態です。
ピアス排除は、ホールが自然に安定する前や体に負担がかかっている時にピアスを「異物」と認識し、皮膚がピアスを体外へ押し出そうとする体の防御反応です。耳たぶだけでなく、軟骨やボディピアスなどさまざまな部位で起こります。

ピアス排除の初期症状と違和感

ピアス排除は、ある日突然起こるものではありません。前兆のようなサインが少しずつ現れることがあります。
最初は、軽い痛みや違和感、赤み、かゆみといった症状があります。ピアスホールの位置がわずかに変わったように見えたり、以前よりピアスの軸が長く見える場合もあります。これは体がピアスを外へ押し出そうとしている変化です。
通常、ピアスを開けた直後はホールが安定していないため、痛みや赤みがあっても一定の範囲内であれば自然な反応ですが、時間が経っても症状が続いたり、徐々にホールが皮膚の端へと移動しているように見える場合、排除が進行している可能性があります。さらに進行すると、ホール周囲の皮膚が薄くなり、透明感が出てくることもあります。

ピアス排除が進行するとどうなるのか

排除が進行すると、ホールの位置が耳の端や別の方向に動いてしまうことがあります。これがさらに進むと、皮膚が裂けてしまい、V字形に痕が残ることもあります。体は自分の皮膚や組織を守るために外から入った異物を排除しようとします。この状態まで進んでしまうと、美容面で気になるだけでなく、同じ場所に再度ピアスを開けることが難しくなる場合もあります。

ピアス排除が起こる主な原因

ピアス排除の原因はひとつではなく、「自然排除」、「金属アレルギーや引掛けたりなどのトラブルによる排除」、「合わないピアスをしている」など、いくつかの要素が絡み合っています。ファーストピアスの時期はホールが不安定なため、少しの刺激でも体が過剰に反応しやすくなります。また、重いデザインのピアスや大きなモチーフ、引っかかりやすい形状のパーツはホールに負担をかけやすく、排除の原因になりやすいです。金属アレルギーがある場合は、素材が合わないことで炎症が続き、排除が進行するケースもあります。

ピアス排除が起こりやすい部位と特徴

ピアス排除は、部位によって起こりやすさに違いがあります。耳たぶは比較的安定しやすい部位ですが、軟骨は皮膚が薄く血流も少ないため、排除が起こりやすい傾向があります。軟骨部分は、日常生活での摩擦や圧迫を受けやすく、ホールが安定するまでに時間がかかります。位置や角度によっては、体の構造上どうしても負担が集中してしまうこともあります。

へそピアスが排除されやすい理由

へそピアスはデザイン性が高く、美容目的で選ばれることが多い部位ですが、排除が起こりやすい部位でもあります。へそ周辺は体の動きに合わせて常に皮膚が伸び縮みします。座ったり体を曲げたりする動作だけでなく、衣類との摩擦も影響するため、ホールへの負担が蓄積しやすい場所です。
ピアスホールから透明な汁が出る、軸が目立つようになるといった変化は、排除の前兆として見られることがあります。無理に装着を続けると排除痕が残りやすいため、違和感がある場合は早めに対応することが望ましいです。
へそは完全に安定するまでに期間がかかる部位でもあるため、ファーストピアスの素材や形状、負担の少ないデザインを選ぶことがコツになります。

トラガスが排除される理由と注意点

トラガスは耳の穴付近にある軟骨で、個性的な印象を与える部位として人気があります。ただし、トラガスは耳の穴の近くにあり、イヤホンやヘッドホン、マスクの着脱などによる刺激が繰り返されることで、ホールへの負担が増します。軟骨部分特有のズキズキとした痛みや、ホール周辺の腫れが続くとピアス排除の前兆の場合があります。軟骨は血流が少ないため、回復に時間がかかり、トラブルが長期化しやすい部位です。そのため、トラガスにピアスを開けた場合は、無理をせず丁寧なケアを心がけることが大切です。

インダストリアルピアスと排除の関係

インダストリアルピアスは、二つのホールを一本のバーでつなぐデザインが特徴です。どちらか一方に炎症やズレが生じると、もう一方にも影響が出やすく、排除が進行しやすい部位です。
インダストリアルの場合、皮膚が薄く引っ張られやすい位置に穴をあけます。耳の形や軟骨のカーブには個人差があり、インダストリアルに向かない場合もあります。無理に装着を続けると、肉芽ができたり、排除が進んだりする原因になります。事前の位置確認や相談がとても大切なピアスです。

ピアス排除が起こりやすい人

ピアス排除は誰にでも起こるわけではありませんが、体質や生活習慣によって起こりやすい傾向があります。金属アレルギーを持っている方や、体が異物反応を起こしやすい方は注意が必要です。また、ホールが安定する前に頻繁にピアスを交換したり、セルフでピアッサーを使って角度が合わない状態で開けてしまった場合も、排除の原因になりやすくなります。

ピアス排除の兆候(前兆)

排除の前兆として以下の症状があります。

  • かゆみ、痛み、赤みが続く。
  • 膿や透明な汁が出続ける。
  • 穴がゆるくなった、または端に移動したように感じる。
  • ピアスのシャフト(軸)が余るようになった。
  • 皮膚が薄くなって、ピアスを支える組織が弱まっている。

ホール周囲の皮膚が薄くなって透明になって見えると、体が異物を外へ押し出そうとしているサインです。透明な汁のような分泌物(膿)が出ることもあります。このような変化に気づいたら、放置せずにケアや医師(皮膚科や美容クリニック)にすぐに相談することがおすすめです。

ピアス排除の兆候が見られたら

排除が進行してしまった場合、ホールがまだ酷く変形していない段階であれば、ピアスの素材やデザインを変えてみましょう。素材を変えることでアレルギー反応を抑え、負担を減らすことができます。また、重さの軽いパーツに替える、ゲージを見直して適切なサイズを選ぶなど、ホールにかかる負担を軽減する工夫も大切です。

ピアスを軽いものに交換して負担を減らす

ピアスが重いと、その重みが常にピアスホールにかかり、皮膚が引っ張られる状態が続きます。この負担が積み重なることで、体が異物として認識し、排除が進行してしまうことがあります。そのため、違和感や軽い痛みを感じ始めた段階で、軽いピアスに交換することはおすすめです。ただし、すでに排除痕が目に見える形で残っている場合は、元の状態に戻すことが難しいケースもあります。

排除が進む場合は無理をせずピアスを外す

ピアスを軽いものに交換しても排除が進行しているように感じる場合は、ピアスを外した方が良いでしょう。ファーストピアスが原因で排除が起こっている場合、無理に装着を続けることで症状が悪化しやすくなります。排除痕がまだ小さい段階でピアスを外せば、耳や体への負担を減らし、状態が落ち着くことも少なくありません。反対に、違和感を我慢して使い続けてしまうと、排除痕が広がり、最終的に再びピアスをつけられなくなる可能性もあります。ただし、排除の進行具合によっては、一定期間休ませたあとでも同じ場所にピアスを開けられるかどうかは個人差があります。

トラブルが起きたときは薬で早めにケアする

ピアスホールにトラブルが起きた場合は、できるだけ早くケアを行うことが排除予防につながります。ホールが腫れたり、膿んだり、触ると痛みを感じる状態を放置してしまうと、炎症が長引き、排除が進行しやすくなります。軽い症状であれば、市販の消毒薬や軟膏を使用して様子を見ることもひとつの方法です。ただし、何を塗れば良いかわからない場合や、ケアを続けても改善が見られない場合は、早めに病院(皮膚科や美容クリニック)を受診し、専門的な判断を仰ぐことで、症状の悪化を防ぎやすくなります。

ピアスホールが安定するまで刺激を与えない

ピアス 排除は誰にでも起こるわけではありませんが、ピアスホールが安定するまで、ピアスに強い力がかからないよう意識しましょう。着替えや洗髪の際も引っかけないよう注意し、必要以上に触らないことを心がけましょう。
開けたばかりのピアスホールは非常にデリケートで、少しの刺激でも影響を受けやすい状態にあります。慣れないうちは気になって触ってしまったり、無意識に引っかいてしまうこともありますが、排除が起こりやすくなります。

排除後はホールを休ませ回復を優先する

ピアスを外した後は、ホールをしっかり休ませることが大切です。排除が起きた直後の皮膚は、炎症やダメージを受けている状態にあります。無理に触ったり、状態を確認するために頻繁に触れるのではなく、清潔を保ちながら自然な回復を待つ意識が必要です。

痛みや腫れがある場合は早めに医療機関へ相談する

ピアス排除後に痛みや腫れ、膿などの症状が続く場合は、自己判断で様子を見るのではなく、医療機関へ相談するようにしましょう。排除によって皮膚が傷ついていると、細菌が入りやすくなり、炎症が長引くことがあります。市販薬で一時的に落ち着くこともありますが、改善が見られない場合は専門的な医師の診断を受けましょう。早い段階で適切な処置を受けることで、症状の悪化を防ぎ、排除痕が目立ちにくくなる可能性もあります。体に異変を感じたら、我慢せず相談することが大切です。

開け直しを考える場合は十分な期間を空ける

ピアス排除が起こったあと、「もう一度同じ場所に開け直したい」と考える方も少なくありません。ただし、排除が起きた直後に開け直すことは、体にとって大きな負担になります。皮膚が完全に回復し、違和感や硬さがなくなるまで、十分な期間を空けることが必要です。また、同じ場所が適していない場合もあるため、位置を少し変える、別の部位を検討するといった選択も視野に入れると良いでしょう。開け直しを検討する際は、体質や過去の経過を踏まえたうえで、無理のない方法を選ぶことが重要です。

ピアス排除のまとめ

ピアスは手軽におしゃれを楽しめるアクセサリーですが、体にとっては異物です。初めてピアッサーを使ってセルフで開ける場合は、位置や角度、素材選びを誤ることで体への負担が大きくなり、トラブルにつながることがありますピアスの穴あけは医療行為です。専門の医師に相談しながら行うことで、自分の体質や部位に合った選択がしやすくなります。
痛みや赤み、位置の変化、皮膚が薄く透明に見えるといったサインは、体からのメッセージです。こうした変化を見逃さず、日々のケアと観察を続けることで、トラブルを大きくせずに済むことがあります。どの部位であっても、排除が起きた場合は無理に元に戻そうとせず、強引に装着を続けないことが肝心です。また放置すると見た目や感触に影響する場合があります。少しでもピアス排除の前兆を感じたら、早めに外す、または信頼できる専門の医師に相談することで、体への負担を抑えながら、安心してピアスを楽しむことにつながります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を監修した人

征矢野 進一は、日本の医師。 長野県木曽福島町生まれ。1979年3月に東京大学医学部医学科を卒業後、1979年から1988年3月まで東京大学医学部形成外科に所属し、1988年4月に神田美容外科形成外科医院を開設。東京大学医学部附属病院の医局時代にコラーゲンの治験に携わり、日本の「注入剤によるシワ取り治療」に貢献した一人。以来長年にわたりコラーゲンやヒアルロン酸などのシワ取り注入剤の研究を重ねる。日本美容外科学会会長も務め、臨床医向けの「注入剤によるシワ取り治療」の講義を依頼され行うと共に、国内・海外で行われる美容外科学会での発表や医師向けの教科書など論文・執筆も行う。

目次