低周波治療器やEMSでお腹痩せは可能?痩せない理由とは

低周波治療器やEMSでお腹痩せは可能?痩せない理由とは
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低周波治療器やEMSを使ったお腹痩せが注目される理由

低周波治療器やEMSを使ったお腹痩せは、「運動が苦手」「腹筋が続かない」「できるだけ手軽にケアしたい」と感じている方から注目を集めています。ベルト型やパッドを貼るタイプの器具を装着し、電気の刺激によって筋肉へアプローチする方法は、見た目にもシンプルで、日常生活に取り入れやすい点が特徴です。

お腹を瘦せたいと悩む人

お腹を痩せたいと思う人は、全体的には太っていないのに、お腹だけがぽっこり出て見えたり、洋服を着たときにウエストまわりが気になったりすることで、「ここさえすっきりすれば」と悩んでいます。
また、運動が苦手だったり、忙しくてジムや本格的なエクササイズを続けられなかったりする人も、お腹を痩せたいと思っています。できるだけ手軽にケアできる方法や、日常生活の中で取り入れやすいアプローチを気にしています。
年齢を重ねることで代謝が落ち、以前と同じ生活をしていてもお腹に脂肪がつきやすくなったと感じる人も少なくありません。若い頃は気にならなかった下腹部のたるみや、座ったときにできるお腹のラインに違和感を覚え、「このままで大丈夫だろうか」と不安になることがきっかけになる場合もあります。

低周波治療器とEMSの仕組み

低周波治療器とは、周波数の低い電気刺激を体に与える機器で、もともとは治療やケア、疲労回復を目的として使われてきました。スポーツ後の筋肉ケアや痛みの軽減など、健康分野での活用が広く知られています。この低周波の刺激が筋肉を収縮させる仕組みを応用したものが、EMSです。どちらも電気刺激によって筋肉を動かす点では共通していますが、周波の違いや刺激の深さ、感覚には違いがあります。

低周波治療器とEMSの違い

低周波治療器とEMSは、どちらも電気の刺激を使って筋肉にアプローチする機器のため、見た目や使い方が似ていますが、もともとの目的や役割に違いがあります。

低周波治療器は「治療やケア」を目的とした器具

低周波治療器は、医療や健康分野で長く使われてきた機器です。肩こりや腰の違和感、筋肉の疲労をやわらげることを目的として、低い周波の電気刺激を体に与えます。刺激は皮膚表面から筋肉に伝わり、血流を促したり、こわばった筋肉をゆるめたりする役割があります。低周波治療器は「筋肉を鍛える」よりも、「筋肉をほぐす」「疲労をケアする」「痛みを和らげる」といった使い方が基本です。お腹に使用した場合も、腹筋が刺激される感覚はありますが、あくまでケアや補助的な役割が中心です。

EMSは「筋肉を動かすこと」に特化したアプローチ

EMSは、電気刺激によって筋肉を収縮させることを主な目的とした機器です。自分で体を動かさなくても、筋肉が自動的に収縮と弛緩を繰り返すため、腹筋や太ももなど、意識しにくい部位にも刺激を与えやすい特徴があります。
お腹に使うEMSは、腹筋運動の代わりとして使われます。「筋肉を使っている感覚」を実感しやすい点が特徴です。低周波治療器よりも刺激が強めに感じられることがあり、筋肉がギュッと縮むような感覚を受ける場合もあります。

周波数と刺激の深さの違い

低周波治療器は比較的浅い部分の筋肉や神経に穏やかに作用し、不快感が少ないように設計されているため、リラックス目的や日常的なケアに向いています。
一方でEMSは、筋肉をしっかり動かすために設計されており、刺激のリズムや強さが筋肉収縮に適した形になっています。人によってはピリピリ感や強い刺激を感じることがあります。

お腹痩せを目的とした場合の考え方の違い

お腹痩せを目的に考えると、低周波治療器とEMSは同じ役割ではありません。低周波治療器は、腹筋を刺激して「使っている感覚」を思い出させたり、運動前後のケアとして活用したりする位置づけになります。直接的に脂肪を減らすというより、健康的な体づくりを支える存在です。
EMSは、腹筋を動かすことによって筋肉量や筋肉の意識を高めることを目的としたアプローチです。ただし、EMSを使ったからといって脂肪が自動的に燃えるわけではなく、食事や生活習慣、エクササイズと組み合わせることが前提になります。

セルライトの除去に効果はあるの?

低周波治療器のセルライトへの効果を期待する声もありますが、セルライト自体を直接除去する器具ではありません。ただし、筋肉を動かすことで血流やリンパの流れが意識されやすくなり、ケアの一環として取り入れられるケースはあります。あくまで補助的な方法として活用する意識が大切です。

低周波治療器やEMSでお腹の部分痩せはできる?

低周波治療器やEMSだけでお腹の脂肪が落ちる「お腹痩せ」できるわけではありません。
低周波治療器は、本来は治療やケアを目的とした機器で、筋肉や神経にやさしい刺激を与え、血流を促したり、筋肉のこわばりや疲労を和らげたりする役割があります。お腹に使用すると腹筋まわりに刺激が伝わるため、「効いている感じ」は得られますが、脂肪を直接分解したり、燃焼させたりする仕組みではありません。
EMSは、電気刺激によって筋肉を収縮させることを目的とした機器で、腹筋運動に近い刺激を与えられる点が特徴です。自分で体を動かさなくても筋肉が動くため、腹筋を使っている感覚を実感しやすく、運動が苦手な人でも取り入れやすい方法といえます。
ただし、EMSで筋肉が刺激されても、皮下脂肪や内臓脂肪が自動的に減るわけではありません。お腹の「見た目をすっきりさせたい」「ぽっこり感を目立ちにくくしたい」という目的であれば、EMSによる腹筋への刺激や、低周波治療器によるケアが役立つ場合もあります。筋力低下や姿勢の崩れが原因でお腹が出て見えている場合には、機器を補助的に使うことで変化を感じやすくなることがあります。

お腹痩せを支えるサポート的な役割

お腹まわりに脂肪がつく原因には、食事バランスや運動不足、姿勢の崩れなど、さまざまな要因が関係しています。
低周波治療器やEMSは、あくまでお腹痩せをサポートする方法のひとつです。これだけで劇的に痩せるということはありません。お腹痩せを目指すなら、主役はあくまで生活習慣の見直しであり、低周波治療器やEMSは補助的な役割として活用することが大切です。

お腹痩せには食事や運動が重要

脂肪は、摂取したエネルギーが消費されずに余ったときに体内へ蓄えられるため、お腹だけを狙って脂肪を落とすことは基本的にできません。お腹まわりの脂肪も、太ももや背中と同じように、全身の脂肪の一部です。
お腹の脂肪を減らすには、食事管理によって摂取エネルギーを適切な量に抑えることが欠かせません。糖質や脂質を過剰に摂り続けると、使い切れなかったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなり、腹まわりは内臓脂肪や皮下脂肪がつきやすい部位です。食事の内容や量を見直すことで、脂肪が増えにくい状態を作ることができます。
同時に、全身の運動によるエネルギー消費も重要です。ウォーキングや軽いジョギング、日常生活での活動量を増やすことによって、体は蓄えられた脂肪をエネルギーとして使おうとします。体は「お腹の脂肪だけ」を選んで燃やすのではなく、全身の脂肪を少しずつ減らしていきます。
腹筋運動やEMS、低周波治療器による刺激は、お腹の筋肉を意識しやすくする点では役立ちますが、脂肪を減らすための主な役割は担っていません。脂肪を減らすためには、食事管理と全身運動によって消費エネルギーが摂取エネルギーを上回る状態を作ることが前提になります。この土台があって初めて、お腹まわりの引き締まりや見た目の変化を実感しやすくなります。

頑張ってもお腹だけ痩せない理由

こうした努力を続けていても「お腹だけがなかなか痩せない」「体重は落ちたのに下腹が残る」と感じる人も少なくありません。お腹まわりの脂肪がもともと落ちにくい性質を持っています。お腹は皮下脂肪や内臓脂肪も同時に蓄積しやすいため、見た目以上にお腹が出て見えたり、ダイエットをしても変化を感じにくくなったりします。
食事や運動だけでは変化が出るまでに時間が掛かることがあります。

どうしても落ちない脂肪には美容医療という選択

セルフケアだけでは痩せないと思っている方に、美容医療によるお腹痩せのアプローチがお勧めです。美容医療は、努力を否定するものではなく、「どうしても残ってしまう脂肪」に対して、医学的にアプローチできる方法です。

短期間で変化を出したい方に向いている脂肪吸引

脂肪吸引は、お腹まわりに蓄積した皮下脂肪を直接取り除く治療です。脂肪細胞そのものを減らすことができるため、変化が分かりやすく、短期間で見た目をすっきりさせたい人に向いています。運動やダイエットでは減りにくい下腹部やウエストラインにもアプローチできる点が特徴です。ただし、一度に吸引できる脂肪の量はある程度決まっているため、全ての皮下脂肪を取り除くことはできません。また体への負担やダウンタイムがあるため、事前にしっかりと診断を受け、自分に合っているかを見極めることが重要です。
内臓脂肪や筋肉太りの場合は脂肪吸引では解消できないというデメリットもあります。

手術に抵抗がある方に脂肪溶解注射

脂肪溶解注射は、脂肪を溶かす作用のある成分を注射し、体外への排出を促す治療です。脂肪吸引ほど大きな変化ではありませんが、部分的に脂肪を減らしたい場合や、手術には抵抗がある人におすすめです。お腹のふくらみが気になる部分にピンポイントでアプローチでき、日常生活への影響が比較的少ない点も魅力といえます。
ただし、脂肪の量やつき方によって効果には個人差があります。広範囲の場合や脂肪の量によっては複数回治療を行う必要があります。

体質改善も目指せるリポトシン注射

リポトシン注射は、脂肪細胞に働きかけることで、お腹まわりの脂肪を減らすことを目的とした美容医療です。リポトシンは体内での熱エネルギーの生産を高め、新陳代謝を促進する作用が期待されています。代謝が活発になることで、体脂肪が蓄積しにくい状態へと導き、痩せやすい体質への改善やダイエット効果につながると考えられています。
繰り返し施術を行いうことで、少しずつお腹まわりのボリュームを抑えていきたい方に向いています。

美容医療の効果を活かすために大切なこと

美容医療を取り入れるからといって、食事や運動が不要になるわけではありません。むしろ、施術後に生活習慣を整えることで、効果を維持しやすくなり、リバウンドの予防にもつながります。EMSや低周波治療器による筋肉への刺激も、術後の体づくりや意識づけとして役立つことがあります。

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この記事を監修した人

征矢野 進一は、日本の医師。 長野県木曽福島町生まれ。1979年3月に東京大学医学部医学科を卒業後、1979年から1988年3月まで東京大学医学部形成外科に所属し、1988年4月に神田美容外科形成外科医院を開設。東京大学医学部附属病院の医局時代にコラーゲンの治験に携わり、日本の「注入剤によるシワ取り治療」に貢献した一人。以来長年にわたりコラーゲンやヒアルロン酸などのシワ取り注入剤の研究を重ねる。日本美容外科学会会長も務め、臨床医向けの「注入剤によるシワ取り治療」の講義を依頼され行うと共に、国内・海外で行われる美容外科学会での発表や医師向けの教科書など論文・執筆も行う。

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