ピアスの穴あけは医療行為?安心してピアスを開けるために

ピアスの穴あけは医療行為?安心してピアスを開けるために

初めてピアスを開けるときは、ワクワクと同じくらい「痛みはどれくらい?」「化膿したらどうしよう」「左右で位置がずれたら嫌だな」みたいな不安も出てきます。初めてのピアスの穴あけは、見た目のかわいさだけでなく、ピアスホールがきれいに出来上がるかどうか、そして安全に完成までたどり着けるかが大事です。
ここでまず大事なのが、ピアスの穴あけは皮膚に傷をつくる行為で、医療機関で「医療行為」として扱われています。皮膚に穴を開けるという行為が、偶発症や感染症のリスクを伴うため、衛生管理の行き届いた医療機関で、医師または医師の指示を受けた看護師に受けるようにしましょう。

目次

「医療行為」って言われるのは、なぜ?

ピアスはアクセサリーですが、ピアスの穴あけはアクセサリー選びとは別物です。耳たぶ(イヤーロブ)でも、軟骨でも、皮膚を通してホールを作ります。つまり小さな創(きず)を作るので、細菌が入れば炎症や化膿につながりますし、ホールが斜めに開いたり、貫通しきらずに曲がったりすると、見た目だけでなくケアもしづらくなります。さらに、耳たぶが裂ける(耳裂け)、角度がずれてピアスの向きが不自然になる、といったトラブルもあります。
医療機関で医師または医師の指示を受けた看護師による施術は、こうしたリスクをゼロにするだけではなく、「減らすための条件がそろっている」ことがポイントです。完全滅菌の器具や医療用ピアスの使用、肌状態の確認、位置の検討、そして何か起きた場合の治療まで全て対応が可能です。

差がつくポイントは「素材」「サイズとデザイン」「ケア」「病院」

ファーストピアスは、ピアスホールが出来上がるまで長い期間つけ続けることになるため、選び方で快適さもトラブルの起きやすさも変わります。

ファーストピアスの素材は、金属アレルギーの不安を減らす

ファーストピアスは皮膚に直接触れる時間が長く、おおよそ1ヶ月以上(耳たぶの場合)は継続して使用するため、金属アレルギーのリスクが少ない素材を選ぶようにしましょう。純チタン、サージカルステンレス、18金(K18)、プラチナなどがおすすめです。肌が敏感な場合や、過去にアクセサリーでかゆみが出た経験がある場合は、カウンセリングや診察で先に相談しましょう。
樹脂素材は一見やさしそうに見えても、消毒や洗浄の扱い方によっては傷ができやすく、軸が太めのためファーストピアスには向いていません。

サイズとデザインは、見た目より「埋没」と「引っかかり」を避ける

ファーストピアスは、かわいさの前にサイズが合っているかのチェックが大事です。耳たぶ(イヤーロブ)の厚みに対して長さがぴったりすぎると、腫れが出たときに余裕がなく、埋没するリスクがあります。一般的な耳たぶ向けのポスト長は8mm前後が多いですが、いわゆる福耳で厚みがある耳や腫れが心配な場合は、10mm以上のロングポストを検討すると安心です。
太さは16G(ゲージ:約1.2mm)あたりが目安です。細すぎるとホールが安定しなかったり、セカンドピアスがつけにくくなる可能性があります。
デザインは髪や服、マスクの紐に引っ掛かりにくいものがおすすめです。丸玉(ボール)のようなシンプルな形や、小さめのストーンのスタッドは負担が出にくいです。

ピアスは開ける場所でケアの難しさが変わる

耳たぶ(イヤーロブ)は、初めてのファーストとして選ばれやすく、痛みや腫れが比較的少ないです。
ヘリックスは耳の外側のフチで、見た目がすっきりして人気ですが、軟骨は治りが遅い部位です。
トラガスは耳の前方の小さな軟骨で、厚みや形が人によって違うので、位置の決め方や角度の見極めに経験が必要です。
耳以外だと、ヘソ(へそ)ピアスも検討する人がいます。へそは摩擦や雑菌の影響を受けやすく、完成まで約3ヶ月〜半年以上かかる場合があるので、普段の服装や生活習慣を見直し、最低3ヶ月は丁寧なケアを続けるようにしましょう。

ファーストピアスのケアは「触らない」と「洗い流す」

ファーストピアスのアフターケアは、清潔に保つことと、ホールを安定させることが重要です。気になって触ってしまうと、痛みが長引いたり、化膿する可能性があります。安定しない最大の原因が「触りすぎ」です。「絶対に回さない」「こすらない」ようにしましょう。
殺菌力が強すぎるものは刺激になるため、消毒液は使いすぎないようにしましょう。洗浄は入浴時にシャワーでやさしく洗い流し、泡を使うなら石けんを軽くなじませて、すすぎ残しを作らないことです。
処方された軟膏がある場合は、洗浄後に清潔な状態で塗布します。
そして、長期間外さないことも大切です。耳たぶなら最低でも1ヶ月から1.5ヶ月ほど、軟骨なら3〜6ヶ月ほどつけっぱなしになります。途中で外すと癒着や狭窄が起きて、穴が安定しなくなる場合があります。

ファーストピアスは「外さない」

ファーストピアスは、ホールが安定して完成に近づくまで外さないようにしましょう。途中で外すと、穴がふさがる、皮膚を傷つける、炎症が起きる、などのリスクがあります。絶対に無理やり外したり、何度も付け外しを繰り返したりしないようにしましょう。
ピアスホールの安定までの目安は部位で変わります。耳たぶ(イヤーロブ)は約1〜3ヶ月、ヘリックスやトラガスなどの軟骨は約3〜6ヶ月、へそは約6〜12ヶ月ぐらいです。

ファーストピアスの癒着とは

ファーストピアスの癒着は、ホールが未完成の段階で、皮膚とピアスの軸が固着してしまう症状です。傷口から出る組織液や少量の血液が乾いて固まり、いわゆる“かさぶた”のようになって、ピアスと皮膚が一体化したような状態です。樹脂素材のピアスは表面の性質によって固着しやすいことがあります。また、長期間の付けっぱなしの際に、洗浄不足で汚れや分泌物が溜まった状態が続くと癒着は起きやすくなります。
癒着の予防には、毎日1回、入浴時にシャワーで汚れを洗い流して清潔を保つようにしましょう。泡をやさしくなじませて、すすぎ残しをしないことが大切です。癒着が気になって「動かない」と思っても、無理に剥がすと炎症が長引く原因になります。痛みがない範囲で軸を軽く前後にずらして“固着していないか”を確認する方法もあります。少しでも痛みが出る、引っかかる、出血しそうな場合は止めてください。
赤みや腫れ、熱感、強い痛み、化膿、埋没しそうなどの症状がある場合は、早めに病院やクリニックで診察を受けるようにしましょう。

ファーストピアスの施術の流れ

一般的なクリニックでの流れは、予約を取って来院し、カウンセリングと診療(診察)で希望や注意点を確認します。ファーストピアス(スタッドなど)を選び、鏡で位置を決めて印をつけ、穴あけ施術を行います。
最後にアフターケアの説明と軟膏の処方をもらいます。施術時間はカウンセリングやアフターケアの説明込みで15〜60分ほどです。

病院選びは、トラブル時の対処とアフターケアで決める

ピアスの穴あけは医療行為です。
病院やクリニックでは、施術前に医師が皮膚状態や病気の既往を確認できること、金属アレルギーが疑わしい場合に相談ができること、トラブルが出たときに治療へすぐ切り替えられます。化膿、腫れ、強い痛み、赤みが続くといった症状が出た場合でも、自己流で対処を続けるより、診察で原因を見てもらう方が安心です。ケロイド体質が気になる場合も、最初のカウンセリングで話しておくことができます。
病院を検討するときは、予約の取りやすさ、説明の丁寧さ、アフターケアの内容、再診の流れ、そして料金が明確かどうかをチェックするようにしましょう。
金額の高い安いだけで決めず、トラブルが起きた場合の対処まで含めて比べることをお勧めします。

トラブルが起きたら、早めに病院・クリニックへ

ピアスのトラブルは、我慢しているうちに長引くことがあります。発赤、熱感、腫れ、痛み、出血、化膿などの症状が続くときは、自己判断で強い消毒を重ねるより、医師の診療で状態を見てもらうようにしましょう。
ケロイド体質が気になる場合や、過去に傷あとが盛り上がりやすかった場合も、先に相談しておくと安心です。ケロイドは体質の影響が大きく、耳たぶでも軟骨でも起こり得るので、「自分は大丈夫」と決めつけず、カウンセリングで病気の既往や肌質を伝えるようにしましょう。

ファーストは「かわいい」と「安心」を同時に育てる

ファーストピアスは、ピアスホールが完成して出来上がるまでの“育てる時間”です。穴あけは医療行為のため、医療機関では滅菌器具や医療用ピアス(チタンなど)の使用、診察とカウンセリング、そしてアフターケアまで用紙されています。開ける場所が耳たぶ(イヤーロブ)なのか、軟骨(ヘリックスやトラガス)なのか、へそなのかで、ケアの期間の長さも変わります。
迷ったときは、「今の生活でケアを続けられるか」「金属アレルギーが心配か」「トラブルが起きた場合に対処してもらえるか」をもとに検討しましょう。

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この記事を監修した人

征矢野 進一は、日本の医師。 長野県木曽福島町生まれ。1979年3月に東京大学医学部医学科を卒業後、1979年から1988年3月まで東京大学医学部形成外科に所属し、1988年4月に神田美容外科形成外科医院を開設。東京大学医学部附属病院の医局時代にコラーゲンの治験に携わり、日本の「注入剤によるシワ取り治療」に貢献した一人。以来長年にわたりコラーゲンやヒアルロン酸などのシワ取り注入剤の研究を重ねる。日本美容外科学会会長も務め、臨床医向けの「注入剤によるシワ取り治療」の講義を依頼され行うと共に、国内・海外で行われる美容外科学会での発表や医師向けの教科書など論文・執筆も行う。

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