涙袋の自力での作り方とは。自然にふっくら見せるセルフケア&メイク術

涙袋の作り方。涙袋のセルフケア&メイク術

鏡を見たとき、ふと「もう少し目元が明るく見えたらいいな」「目が大きく見せたい」と感じたことはありませんか。
涙袋がふっくらしているだけで、目の印象は驚くほど変わります。笑ったときに優しく可愛らしい印象になる、柔らかい膨らみ。実は、ちょっとしたトレーニングやメイクの工夫、そして日々のケアの積み重ねで、セルフでも自然に整えることができるのです。
涙袋は、単に「目の下のふくらみ」ではなく、眼輪筋(がんりんきん)という筋肉と皮膚のバランスによってできています。つまり、表情筋を上手に動かすことで、涙袋の形は変えられるのです。今回は自宅でできるセルフケアの方法を解説します。

目次

涙袋があると印象が変わる理由

涙袋があると、目元が立体的に見えて顔全体のバランスが整います。笑顔になったときにふっくらすることで、自然なやさしさや親しみやすさが加わるため、第一印象が明るく見えるのです。
反対に、涙袋が目立たないと、目の下が平らに見えて表情がやや硬く見えたり、すこし冷たい印象や、疲れているように見えてしまうこともあります。   
特に大人になるにつれて、目の下の筋肉や皮膚のハリが少しずつ衰え、涙袋が目立ちにくくなってきます。加齢による変化は避けられませんが、トレーニングや日々のケアで少しずつハリを取り戻すことは期待できます。

涙袋は自力で作れるのか?

結論から言うと、涙袋は自力でもある程度作ることは不可能ではありません。
もともと涙袋を形づくっているのは、目の下の皮膚と眼輪筋、そしてその下にあるごくわずかな脂肪層です。この筋肉を動かすことで、自然な膨らみができるのです。
ただし、やり方を間違えると筋肉に負担がかかり、逆に目元が疲れたりクマが濃く見えることがあります。「涙袋トレーニングのやりすぎ」は避け、正しい方法を知っておくことが大切です。

涙袋を育てる眼輪筋トレーニング

涙袋は「眼輪筋(がんりんきん)」という目の周りの筋肉の一部によって支えられています。笑顔を作るようにして下まぶたを軽く持ち上げる動きを繰り返すだけでも、筋肉が引き締まり、涙袋の輪郭がややはっきりして見えることがあります。
眼輪筋トレーニングは、特別な道具や大きな動作は必要ありません。目元を優しく動かすだけで、少しずつ筋肉に刺激を与えることができます。
まず、鏡の前で口角を軽く上げてみましょう。目を大きく開くのではなく、「目の下をふっくらさせるように笑う」のがポイントです。このとき、上まぶたではなく、下まぶたに意識を集中させます。目を細めながら、頬を引き上げるような感覚を繰り返すと、眼輪筋の下部が動くのを感じられるはずです。1日数回、数十秒程度を目安に続けてみてください。大切なのは、“やりすぎないこと”。無理に筋トレのように繰り返すと、かえって目元に負担がかかり、くすみや色素沈着の原因になります。

涙袋を育てるマッサージとスキンケア

目の下の皮膚はとても薄く、血行不良や乾燥によってハリが失われやすい部位です。
アイクリームや保湿美容液で皮膚をうるおし、血流を促すマッサージを続けることで、わずかにハリを取り戻し、涙袋が目立ちやすくなる場合があります。
ビタミンC誘導体やレチノールを含むアイケア製品は、コラーゲンの生成をサポートし、皮膚の弾力を保つ効果が期待できます。お風呂上がりなど、体が温まっているタイミングで、目の下をやさしくマッサージしてあげましょう。指の腹を使って、目頭からこめかみ方向に向けて軽くなでるようにします。この動きを数回繰り返すだけで、目元の血流が促進されてハリが戻りやすくなります。
目の下にあるツボ「承泣(しょうきゅう)」や「四白(しはく)」をやさしく押すのもおすすめです。押すというよりも、深呼吸をするようにじんわりと刺激するのがポイントです。
また、水分補給を忘れないことも重要です。体内の水分が不足すると、皮膚のハリが低下し、目元が乾いて影ができやすくなります。1日を通してこまめに水を飲む習慣をつけましょう。

涙袋メイクで自然な仕上がりを作る

セルフトレーニングやマッサージを続けていても、すぐに見た目の変化を実感したいときは、メイクの力を借りましょう。涙袋メイクは、ほんの少しの工夫で大きな変化を生み出します。
まず、アイシャドウで明るいベージュやピンクベージュのカラーを涙袋部分に軽くのせます。そのすぐ下に、薄い影を描くようにブラウンのアイシャドウやアイブロウパウダーをふんわりと足します。濃く描きすぎないことが大切です。強調しすぎると「クマ」に見えてしまうため、自然光の下で色味を確認しながら調整してください。また、目頭から黒目の下にかけて、細いラインでハイライトを入れると、光が反射してぷっくり感が増します。年齢を重ねた肌には、ラメよりも微細なパール入りのアイテムが上品で自然に見えます。
メイクであれば日によってボリュームを変えたり、印象を調整したりすることもでき、施術に抵抗のある人でも安心して試せます。ただし、汗や皮脂で崩れやすいというデメリットがあり、長時間の維持は難しい点もあります。

大人の涙袋メイクで気をつけたいポイント

若い頃のようにラメをたっぷりのせると、シワやたるみが強調されてしまうことがあります。大人の涙袋づくりは“引き算”がポイントです。
「目立たせる」ではなく「自然に光を集める」イメージで仕上げると、上品でやわらかい印象に整います。アイラインやマスカラを濃くしすぎると、涙袋メイクの効果が埋もれてしまうため、目元全体のバランスを見ながらメイクを調整してください。

涙袋をきれいに見せる生活習慣

毎日の生活の中でも、涙袋のコンディションを整えることはできます。まずは睡眠不足を避けること。寝不足が続くと、目の下にクマができやすくなり、ふくらみが影のように見えてしまいます。また、塩分の摂りすぎやアルコールの飲みすぎはむくみを引き起こすため、翌朝の目元が腫れて涙袋の形がわかりにくくなることがあります。目を酷使する習慣も見直しましょう。スマートフォンやパソコンの画面を長時間見続けると、眼輪筋がこわばり、血行が滞ります。定期的にまばたきを意識したり、1時間に1回は遠くを見るなど、目元を休ませる時間を作ることが大切です。

涙袋を取り戻すための美容アイテム活用法

最近では、目元専用の美容液や保湿シートなど、涙袋ケアに特化したアイテムも多く登場しています。ヒアルロン酸やコラーゲン配合のアイテムは、目元の乾燥を防ぎ、ハリを与えてくれるので、セルフトレーニングの効果をサポートしてくれます。美容液を塗るときは、指でこすらず「軽く押さえるように」なじませましょう。摩擦は色素沈着の原因になりやすいので注意が必要です。
また、冷却ジェルパックや温冷アイマスクを使って、血行を整えるのもおすすめです。温めてから冷やすことで、皮膚が引き締まり、目の下のハリ感がアップします。

涙袋ができにくい人の原因をチェック

涙袋が目立たない人は、もともと皮膚が厚いタイプだったり、筋肉が動きにくくなっている可能性があります。また、脂肪のつき方や目の形も関係します。生まれつき涙袋が小さい人もいますが、完全にあきらめる必要はありません。筋肉を意識的に動かすことで、ほんの少しずつ形が変わり、光の当たり方で自然に見せることができます。「涙袋を作れるのは若い人だけ」と思われがちですが、年齢に関係なく“表情を動かす習慣”は誰でも身につけられます。

美容クリニックの涙袋形成の施術という手段

セルフケアやメイクでは物足りない場合、美容クリニックで行う「涙袋形成」という施術も選択肢のひとつです。ヒアルロン酸を目の下に少量注入して、ふっくらしたラインを作る方法で、切開などの大掛かりな手術ではありません。短時間で行えるうえに、自然な仕上がりを目指せるため、人気が高まっています。
ただし、ヒアルロン酸の種類や注入量によって印象が変わるため、施術を受ける際は信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。

「どんな目元になりたいか」をしっかり決めてからカウンセリングを受けると、理想に近い仕上がりになります。

ヒアルロン酸注入以外の脂肪注入やPRP治療で涙袋を作る

より長期的な方法として、ヒアルロン酸の代わりに自分の脂肪を注入する「脂肪注入法」もあります。太ももやお腹などから採取した脂肪を目の下に入れることで、自然なふくらみを長期間維持できます。
また、自分の血液から抽出したPRP(多血小板血漿)を注入する治療もあり、皮膚の再生力を高めて自然なハリを出すことができます。

これらは医療行為であり、ダウンタイムや費用はヒアルロン酸よりも大きくなりますが、効果の持続性は高い傾向にあります。

 自分に合った方法を選ぶことが大切

メイクで作る涙袋も、トレーニングで鍛える涙袋も、どちらも“自分らしさを引き出すための方法”です。焦らず、自分のペースで続けていくことで、少しずつ自然な変化が感じられるはずです。
涙袋をふっくら見せる方法は一つではありません。一時的に印象を変えたい場合はメイクやマッサージ、長く維持したい場合は脂肪注入や形成手術など、目的によって適した選択肢が異なります。

また、涙袋の構造や皮膚の厚みは人それぞれ異なるため、どの方法が自然に仕上がるかは医師の診察を受けて判断することをお勧めします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を監修した人

征矢野 進一は、日本の医師。 長野県木曽福島町生まれ。1979年3月に東京大学医学部医学科を卒業後、1979年から1988年3月まで東京大学医学部形成外科に所属し、1988年4月に神田美容外科形成外科医院を開設。東京大学医学部附属病院の医局時代にコラーゲンの治験に携わり、日本の「注入剤によるシワ取り治療」に貢献した一人。以来長年にわたりコラーゲンやヒアルロン酸などのシワ取り注入剤の研究を重ねる。日本美容外科学会会長も務め、臨床医向けの「注入剤によるシワ取り治療」の講義を依頼され行うと共に、国内・海外で行われる美容外科学会での発表や医師向けの教科書など論文・執筆も行う。

目次