目の下のクマを治すセルフケア。すぐにできるマッサージと簡単テクニック

目の下のクマは、顔全体の印象を大きく左右する悩みのひとつです。疲れて見える、実年齢より老けて見られるといった見た目の問題だけでなく、自信をなくしてしまう原因にもなりやすいものです。
目の疲れや寝不足、年齢と共に目立ってくる目の下のクマ。目の下のクマには、大きく分けて「青クマ」「黒クマ」「茶クマ」の3つのタイプがあります。

青クマ（血行不良や睡眠不足によるタイプ）

青クマとは、目の下の薄い皮膚を通して血液が青黒く透けて見える状態で、青っぽかったり、紫っぽい色に見えます。目の周りには多数の毛細血管が通っており、長時間のスマホやパソコン使用による目の酷使、目の疲れ、冷え、寝不足、栄養不足などが原因で血行不良が起きると青クマができることがあります。血流が滞っているため、顔色全体が暗く見えやすく、メイクでも隠しにくい特徴があります。

茶クマ（色素沈着や摩擦が原因になるタイプ）

茶クマとは、主にメラニンの色素沈着によって目の下に茶色いシミのようなくすみが広がる状態を指します。茶クマの原因は、花粉症やアトピーなどの影響で目をこすったり、メイク落としでこすったり、日焼けによって色素沈着が生ずることが原因と考えられています。摩擦によって皮膚が炎症を起こし、ターンオーバーが乱れることでメラニンが排出されず沈着してしまうのです。
茶クマは、目じりを引っ張っても上を向いても、くまの濃さが変わらない特徴があります。

黒クマ（たるみや影によって見えるタイプ

黒クマは、目の下のたるみやくぼみによってできるクマで、その主な原因は皮膚のたるみや眼窩脂肪の下垂による「影」です。黒クマは、加齢に伴い肌のハリや弾力が減少し、目の周りの筋肉である眼輪筋が衰えると、皮膚の下にある皮下脂肪やコラーゲン、エラスチンが減少し、皮膚のたるみやくぼみが影を作り出します。それが黒くクマとして見える要因となります。さらに、むくみが加わることで、このクマがより目立つことがあります。

混合型クマ（複数の要因が重なったタイプ）

混合型クマとは、青クマ・茶クマ・黒クマといった複数の種類のクマの要因が重なり合って起こる状態を指します。血行不良・色素沈着・皮膚のたるみなどが同時に影響するためクマの色が濃く、改善にも時間がかかる場合があります。長時間のスマホ使用や睡眠不足によって血行が悪くなると青クマが目立ち、目元をこすったり紫外線を浴びたりすることで茶クマが加わり、加齢によって皮膚がたるむと黒クマの影が出てくるなど、複数の要因が重なることで濃いクマとして現れるのです。
光の当たり方や顔の動きによって見え方が変わりやすく、血流が悪いと青みが増し、乾燥や摩擦が続くと茶色みが強まり、下まぶたのたるみによって黒い影が強調されるのが特徴で、ファンデーションやコンシーラーでカバーしにくく、一色だけでは不自然に見えることもあります。

目の下のクマは男性も悩んでいる

目の下のクマができる原因は、ストレスの多い毎日、不規則な生活リズム、睡眠不足、そして長時間の目の酷使など、生活習慣の乱れによる血行不良が要因となって青クマができるようになります。目元の皮膚は薄いため青クマが目立つようになります。
また、男性は女性よりも目の周りの眼窩脂肪が多いとされるため、たるみによる目の下のクマに悩む男性は多いと言われています。

目の下のクマは自力で治せる？

セルフケアで改善できる青クマ対策

目の下のクマのうち青クマは、血行不良や睡眠不足、ストレスなどが原因で起こります。青クマを改善するには、ストレスを解消し、睡眠を十分にとって、スマホやパソコンで目を酷使しないなど根本的な生活習慣の見直しが大切です。すぐに生活習慣を改善できない場合は、簡単な方法として、目の周りの血行を促進させる優しいマッサージがお勧めです。また蒸しタオルで目元を温めると血行を改善できる方法も手軽にできるので試してみましょう。

自力で解消できる茶クマ

茶クマは目の下に色素沈着を起こして出来るクマなので、ビタミンCなどの成分が含まれている目元用美容液やクリームで、美白ケアを行うことお勧めです。また目の周りは皮膚が薄いため、保湿成分を保持する力が弱いので夜はしっかりと目元を保湿して目元のハリと、美白ケアをしっかり行うことが茶クマ改善には必要です。

セルフケアだけで改善できない黒クマ

黒クマは、眼輪筋のたるみによって眼窩脂肪が飛び出してしまうことで起きてしまうので、セルフケアで改善することは難しいです。また、お顔に年齢以上に老けた印象を与える目の下のたるみ、くぼみも自力での改善が難しいものです。
根本から改善したい場合は、目の下の余分な脂肪を除去する経結膜脱脂や、目の下の凸凹が目立たなくなるようにヒアルロン酸注入、ベビーコラーゲン注入、コラーゲン注射、脂肪注入などがあります。ご自分の症状とお悩みに合わせた最適な治療を提案してくれるクリニック・医師にしっかり相談しましょう。

自宅でできる目の下のクマ改善の基本ケア

蒸しタオルで目の下の血行を整える

血行不良による青クマや疲れ目を和らげたいときは蒸しタオルがおすすめです。
濡らして絞ったタオルを電子レンジで30秒～1分温め、心地よい温かさを確認してからまぶたにのせます。2〜3分ほど温めると血流が促され、目の下の青みが和らぎ、肌の透明感も取り戻せます。

冷却タオルで目の下のむくみを引き締める

朝の目の下の腫れやむくみには冷却タオルが効果的です。
冷水に浸して絞ったタオルを冷蔵庫で数分冷やし、まぶたや目の下に1〜2分当てると、血管が収縮してむくみが落ち着きます。冷却後には必ず保湿ケアを行うようにしましょう。

リンパマッサージで目元の老廃物を流す

温冷タオルの後にリンパマッサージを組み合わせると、より効果が高まります。
強い力を加える必要はなく、指の腹を使い、目の下からこめかみに向かって皮膚表面をやさしく撫でるように行います。その後、耳の前から首筋、鎖骨に向かって老廃物を流すイメージで下方向へ軽くなでます。鎖骨のくぼみにはリンパ節が集まっており、最終的にここへ老廃物を流すことでスッキリ感が得られます。
圧をかけすぎず、心地よい程度のタッチで行うのがポイントです。
就寝前のリラックスタイムに取り入れると、自律神経が落ち着き、睡眠の質向上にもつながります。

ツボ押しで目元の血行を助ける

マッサージに加えてツボ押しを取り入れると、目元の血流改善がより期待できます。
攅竹（さんちく）は眉頭の少しくぼんだ部分にあるツボで、親指や人差し指を使ってやや下から上に持ち上げるように3〜5秒やさしく押すと、目の下の血行を促して眼精疲労やクマの改善、眉間の緊張緩和に役立つとされています。
晴明（せいめい）は目頭と鼻の付け根の間にある小さなくぼみで、人差し指の腹で両側から軽く挟むように3秒押してゆっくり離す動作を繰り返すと、血行を改善して充血やむくみを和らげ、目の疲れやかすみ、青クマの軽減につながります。
四白（しはく）は瞳の真下、目の下の骨のふちから指一本分下にあるツボで、中指の腹で下から軽く押し上げるように3秒圧をかけると、目の下のクマやくすみに働きかけ、顔全体のむくみ解消にも効果が期待できます。
いずれも強い力をかけると炎症や内出血のリスクがあるため、「心地よい」と感じる程度の圧で行うことが大切です。オイルやクリームを使って摩擦を減らすと肌への負担が少なく、毎日1〜2分程度を継続することで効果を実感しやすくなります。

マッサージやツボ押しを行う際の注意点

マッサージやツボ押しを行う際の注意点としては、まず強い圧をかけないことが大切で、ゴリゴリ押すと炎症や赤みを招く恐れがあるため、なでる程度の力加減が理想です。時間も短めで十分であり、1回あたり5分程度に留め、長時間続けると皮膚への負担が増してしまいます。週に数回、スキンケアの最後に取り入れることで血行促進やむくみ解消、クマ対策に役立ちます。
効果を高めるためには、蒸しタオルで目元を温めてから行うと血行がさらに良くなり、より実感しやすくなります。就寝前のリラックスタイムに取り入れると自律神経が整い、睡眠の質の向上にもつながります。

睡眠リズムを整えて目元の回復力を高める

慢性的な睡眠不足は、青クマや黒クマの根本原因です。ターンオーバーの乱れや血流悪化を引き起こし、クマ改善のスピードを大きく妨げます。
睡眠の質を高めるためには、睡眠リズムを整えるようにしましょう。スマホやタブレットから発せられるブルーライトは脳を覚醒させ、眠りを促すメラトニンの分泌を妨げてしまいます。寝る直前まで画面を見続けると入眠が遅れたり眠りが浅くなったりすることがあるため、就寝の1〜2時間前には使用をやめるようにしましょう。
寝る時の照明も工夫しましょう。夜に明るすぎる照明を浴びると体内時計が乱れて眠りにくくなるため、寝る2時間前からは暖色系の間接照明に切り替えるのがおすすめです。寝室は可能な限り暗くすると深い睡眠につながるため、遮光カーテンの利用も効果的です。
規則正しい生活リズムも欠かせません。起床と就寝の時間をできるだけ一定にし、朝はしっかりと朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、その夜の入眠がスムーズになります。
就寝前に読書や軽いストレッチ、深呼吸といったリラックス習慣を取り入れることで副交感神経が優位になり、眠りに入りやすくなります。

ビタミンC・E・鉄分など、血行改善や抗酸化作用で目の下のクマを改善する

目の下のクマの改善には、ビタミンC・E・鉄分を普段の食生活から取り入れて抗酸化と血行促進をサポートします。
ビタミンCは抗酸化作用によって紫外線やストレスで発生する活性酸素を除去し、肌の老化や色素沈着を防ぐだけでなく、メラニンの生成を抑えて茶クマを目立ちにくくし、コラーゲンの生成を促進して目元のハリを守ることで青クマや影クマの悪化を防ぐ助けになります。柑橘類やパプリカ、ブロッコリー、キウイなどに多く含まれ、熱に弱いため生で摂取するのがお勧めです。
ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、血流促進作用によって青クマを和らげ、抗酸化作用で肌のくすみや老化を防ぎます。ビタミンCと一緒に摂取すると抗酸化力が高まり、相乗効果が期待できます。アーモンドやアボカド、カボチャ、ひまわり油などが代表的な食品です。
また、鉄分も重要で、酸素を運ぶ赤血球を作るために欠かせません。不足すると青クマが目立つようになります。鉄分にはレバーや赤身肉、カツオに多いヘム鉄と、ほうれん草や大豆製品に含まれる非ヘム鉄がありますが、吸収率はヘム鉄が高いためバランスよく摂ることが望ましく、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収効率が上がります。
これらを毎日の食生活に取り入れることで目元の印象を明るく整える効果が期待できます。

ハイドロキノンやビタミンC誘導体、美容液など市販アイテムで目の下のクマを改善する

市販アイテムを活用した自宅で手軽にできる目の下のクマを改善方法があります。
ハイドロキノン配合クリームは「肌の漂白剤」と呼ばれるほどメラニン抑制作用が強く、茶クマの改善に有効で、夜のスキンケアの最後に薄く塗布するのがお勧めです。ただし刺激が強いため、赤くなったりかゆみが出る場合もあり、必ずパッチテストを行い、少量から試すようにしましょう。
ビタミンC誘導体は抗酸化作用を持ち、肌の酸化を防ぐとともにコラーゲン生成を促して目元のハリを保ち、茶クマやくすみにお勧めです。化粧水や美容液として導入後に保湿を重ねると効果的で、ハイドロキノンとの併用も可能ですが敏感肌の方は注意して使いましょう。
ヒアルロン酸やレチノール、ペプチド系成分などが含まれた美容液は、乾燥による小ジワや影クマ、青クマや加齢や疲れによる影クマの改善に役立ちます。
それぞれ、使用の際は目元専用タイプを選びましょう。
ただし、目元は皮膚が薄くデリケートなため、成分や使用方法を正しく理解して選ぶことが大切です。

メイクアップでの目の下のクマをカバーする

目の下のクマをカバーする際は、クマの種類に合わせてコンシーラーの色を選ぶことが大切です。誤った色を選ぶと、かえってクマが目立ったり不自然な仕上がりになるため、正しい色の見極め方を知っておくと安心です。

青クマの場合はオレンジ系やサーモンピンク系

青クマは血行不良や寝不足によって目の下の血管が透けて見えることで起こります。青みを打ち消すには、補色関係にある オレンジ系やサーモンピンク系のコンシーラー が適しています。特に肌が明るい人はややピンク寄り、健康的な肌色の人はオレンジ寄りを選ぶと自然に馴染みます。

茶クマの場合はイエロー系やベージュ系

茶クマは色素沈着や摩擦によるメラニンの沈着が原因です。この場合は イエロー系やベージュ系のコンシーラー が効果的です。黄色みのある色が肌色と馴染みやすく、くすみを明るく見せることができます。

黒クマの場合は明るめのベージュ系

黒クマはたるみや影によってできるクマです。影そのものを完全に消すのは難しいですが、明るめのベージュ系やややピンクを含むコンシーラーを用い、ハイライト効果で影を飛ばす方法がお勧めです。光を反射するパール入りのタイプを併用すると目元が明るく見えます。

コンシーラーの塗り方のコツ

コンシーラーは厚塗りせず、薄く重ねることで自然な仕上がりになります。
塗布するときはチップやブラシよりも薬指を使い、軽く叩き込むようにするとヨレにくいです。
ファンデーションを塗る前にコンシーラーを仕込むか、最後にポイントで使うかはアイテムによって異なるため、商品説明も確認すると良いです。

ハイライトやパウダーを使った自然なカバー方法

コンシーラーだけでは不十分な場合や、仕上がりをより自然に見せたいときには、ハイライトやパウダーを上手に取り入れることが大切です。光の効果を利用することで、目の下のクマを目立ちにくくすることができます。

ハイライトで明るさをプラス

目の下の黒クマや影クマは、光が当たりにくいことでくすんで見えやすくなります。そのため、リキッドタイプやペンシルタイプのハイライトを目の下の三角ゾーンに入れると、光の反射で影を飛ばし、明るい印象に整えられます。
パールやラメ入りは光を強く反射するため、自然に明るさを演出できます。
塗りすぎるとテカリに見えるので、少量を薄く伸ばすのがポイントです。
クマ部分全体ではなく、涙袋の下や頬の高い位置などにハイライトを入れると自然に仕上がります。

パウダーで仕上げてヨレ防止

コンシーラーやハイライトを塗った後は、ルースパウダーやプレストパウダーで軽く押さえることで、メイクの持ちを良くし、ヨレを防げます。
ブラシやパフを使い、擦らずに軽くのせるようにしましょう。
透明感を残したい場合はトランスルーセント（無色）のパウダーが適しています。
乾燥が気になる場合は、保湿成分を含むパウダーを選ぶと粉っぽさを防げます。

自然に見せるためのコツ

コンシーラーで色補正 → ハイライトで光を足す → パウダーで仕上げる、という流れを意識するとバランス良く仕上がります。
厚塗りせず、「光で飛ばす」発想を取り入れることが自然なカバーにつながります。
仕上げに目の下だけでなく頬の高い位置にハイライトを入れると、顔全体がリフトアップしたように見えます。

厚塗りで目の下のクマを目立たせないために

クマを隠そうとしてコンシーラーやファンデーションを厚塗りすると、シワや凹凸が強調されてしまい不自然な仕上がりになります。自然にカバーするためには、少量を的確に使い、仕上げを工夫することが大切です。一度にたくさん塗るのではなく、薄く数回に分けて重ねることで厚ぼったさを防ぎ、広範囲に塗らず気になる部分にだけピンポイントでのせるのがポイントです。厚塗りせずとも、ハイライトや光沢感のあるアイテムを活用すれば影を飛ばすことができ、自然にカバーできます。
全体にファンデーションを厚塗りしたり、色の合わないコンシーラーを大量に使ったり、パウダーを重ねすぎて粉っぽく仕上げるのは避けましょう。クマは「隠す」のではなく、色補正と光を利用して「目立たなくする」という発想に切り替えることで、健康的で自然な印象に近づけます。

目の下のクマを自力で改善するためのよくある質問