ニキビが治っても、肌に残ってしまう凹凸…。ファンデーションやコンシーラーでも隠しきれない「クレーター状のニキビ跡」にお悩みの方は少なくありません。美容クリニックでの治療は費用がかかるため、「自分でクレーター状のニキビ跡を改善したい」と考えている人も多くます。
ニキビ跡の原因
ニキビの主な原因は、毛穴の詰まり、皮脂の過剰な分泌、そしてアクネ菌の増殖があります。ニキビが繰り返し発生すると、その炎症がニキビ跡を作る原因となります。ニキビができると、アクネ菌の増加に伴い白血球が活性酸素を放出してアクネ菌を除去しようとしますが、この過程で正常な皮膚細胞もダメージを受けることがあります。さらに炎症によって毛穴の形が変わり、皮脂が溜まりやすくなり、ニキビが治りにくくなることがあります。
初期の白ニキビや黒ニキビの段階で適切に治療すれば跡は残りませんが、ニキビを自分で潰すと炎症を引き起こし、跡が残る可能性があります。
ニキビ跡のタイプには赤み、色素沈着、クレーターがある
ニキビの赤みは、ニキビが引き起こす炎症により血流が増加し、皮膚に赤みが現れる状態です。炎症が治まった後も赤みは一定期間残ることがありますが、ニキビ自体が治癒すれば、赤みも徐々に薄くなっていきます。時間をかけて適切なケアを行うことで、赤味のニキビ跡は比較的早めに改善することが可能です。
ニキビの炎症は落ち着けば自然と薄れていきます。しかし、炎症が強い場合や肌の深い層まで影響している場合、肌は炎症から肌を守るためにメラニン色素を生成します。メラニンが蓄積すると色素沈着が生じることがあります。色素沈着は、ニキビの跡として赤黒い斑点として残り簡単には消えません。日焼けによるシミが消えにくいのと同様に、ニキビによる色素沈着を薄くするには時間が掛かります。
赤ニキビや化膿ニキビのように、炎症が皮膚の深い層である真皮層や皮下組織まで達してしまうと、真皮層内のコラーゲンやエラスチンの組織が破壊されます。肌内部の組織が破壊されると、肌表面に凹凸やクレーター状の痕跡が残るようになります。
皮脂の分泌が多い部分では、毛穴に老廃物が詰まりやすく、白ニキビの発生につながります。一方で、乾燥しやすい部分は皮膚のバリア機能が低下し、肌荒れを起こしやすくなります。さらに、肌のターンオーバーが乱れると毛穴詰まりが悪化し、ニキビが繰り返しできやすい状態になります。
肌の表面が凸凹になるニキビ跡のクレーターとは
ニキビが治った後に残される、肌表面にできる凸凹の状態をニキビ跡のクレーターと言います。医学的には陥凹性瘢痕、陥凹性瘢痕と呼ばれます。
クレーター状のニキビ跡は、メイクで隠そうとしても肌の凹凸が強調されてしまい、ファンデーションを厚く塗るほど逆効果になることがあります。特に、皮脂が多く分泌される鼻やこめかみ、眉間などのTゾーンや、乾燥しやすい頬・あご・フェイスラインのUゾーンは、クレーター型のニキビ跡ができやすい部位といわれています。
クレーターとは?皮膚が凹むメカニズム
ニキビが原因で起こる強い炎症は毛穴の周りの組織を破壊します。ニキビを治す創傷治癒が起きますが、ニキビが同じ箇所に何度もできたり、炎症や化膿を繰り返したり、ニキビが潰れてしまうなどで、皮膚の奥にあるコラーゲンやエラスチンといった構造成分が破壊されます。修復の過程で線維化が起こると、皮膚が収縮し、凹んだ状態が固定されてしまいます。これがいわゆる「クレーター」です。
特に、傷が治りにくい体質の人は、クレーター肌になりやすいとされています。ニキビの重症度や持続期間が長いほど、クレーターになるリスクも高まります。ニキビ跡のクレーターの治療はニキビ跡治療の中でも特に難しいと言われています。
クレーター状ニキビ跡の種類
クレーター状のニキビ跡には、アイスピック型、ローリング型、ボックス型など直径が1〜2ミリで細かいもの、直径が4〜5ミリで楕円形状のもの、大きさはバラバラで円形や楕円形の縁が垂直に凹んでいるものなどの特徴があります。
アイスピック型クレーター:細く深い針穴のような凹み
先端が鋭くとがった針穴のような形状をしており、非常に深く皮膚の奥まで達しています。
真皮層の組織が大きく損傷しており、毛穴が細く深く陥没しているため、セルフケアでの改善は難しいタイプです。フラクショナルレーザーやパンチ切除といった医療施術が効果的とされています。
ボックス型クレーター:縁がはっきりとした四角い凹み
縁がはっきりしており、四角い形状をしている凹みです。比較的浅い場合はターンオーバー促進やビタミンCケアで改善が見込めますが、深いものはダーマペンやサブシジョンなどの施術が推奨されます。アイスピック型よりは治療難易度が低めです。
ローリング型クレーター:波打つような広い凹凸
波打つように広く浅い凹凸が特徴で、皮膚の下に癒着が生じて引きつれているケースが多いです。浅いためスキンケアや生活習慣の改善でも目立ちにくくできますが、完全なフラット化には医療施術(サブシジョンやレーザー)が有効です。
ニキビ跡がクレーター状になる原因
炎症による真皮層の損傷
赤ニキビや膿ニキビなど、炎症が強い状態が長く続くと、皮膚の奥にある真皮層やその下の皮下組織までダメージが及びます。炎症の過程でコラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を支える繊維が破壊され、再生が追いつかなくなると肌が陥没してしまいます。
コラーゲン再生の不十分さ
炎症後、皮膚は修復のためにコラーゲンを生成しますが、損傷が大きいと十分な量が再生されず、凹みが残ってしまいます。加齢や生活習慣の乱れ、睡眠不足、栄養不足、紫外線によるダメージでターンオーバーが滞っていると、皮膚の再生力が低下します。
間違ったニキビの処置
自分で膿を潰したり針で刺したりするなど、強い物理的刺激を与えると皮膚組織がさらに損傷し、クレーター化するリスクが高まります。また、繰り返し同じニキビを触る習慣も悪化する要因になります。
ニキビ跡のクレーターを自力で治せる?
ニキビ跡のクレーターは自力だけでは完治することが困難です。
ニキビのクレーター状の跡を自力で治すのが難しい理由は、ニキビによるダメージがターンオーバーできない真皮層に影響しているからです。肌の真皮層は表皮のようにターンオーバーによる再生が行われないため、ダメージを受けると自然治癒が非常に難しくなります。また、市販のスキンケアでは根本的な改善は期待できません。
日常生活でできるニキビ跡改善のためのセルフケア
ニキビ跡クレーターを日常生活で少しずつ改善していくためには、肌の再生を促しつつ、炎症や刺激を避けるセルフケアが欠かせません。
肌のターンオーバーを整える生活習慣
クレーターは皮膚の真皮層が損傷し、コラーゲンやエラスチンなどの組織が破壊された結果、肌が凹んでしまった状態です。まずは肌の新陳代謝(ターンオーバー)を整えることが回復の大事です。栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動が大事です。ビタミンC(コラーゲン生成促進)、ビタミンE(抗酸化)、タンパク質(肌細胞の材料)や亜鉛はコラーゲン生成に欠かせないため、意識して摂取するとよいでしょう。魚・卵・緑黄色野菜・果物をバランス良く取り入れてください。
摩擦・刺激を避けるスキンケア
摩擦はニキビやニキビ跡、クレーターを悪化させる要因のひとつです。洗顔時は泡で包み込むように洗い、タオルでゴシゴシ拭かず押さえるように水分を取ります。また、クレンジングは低刺激で保湿力のあるものを選び、肌のバリア機能を守ることが大切です。また、枕カバーやタオルは清潔を保ちましょう。
紫外線対策でコラーゲン分解を防ぐ
紫外線は真皮層のコラーゲンやエラスチンを破壊し、色素沈着やニキビ跡を悪化させ、クレーターの改善を妨げます。日焼け止めは年間を通して使い、外出時は帽子や日傘も活用してください。P SPF30以上・PA+++以上の日焼け止めを毎日使用し、外出時には2~3時間おきに塗り直すことが大切です。
紫外線対策はニキビ跡の赤みやシミ予防にも効果的です。
保湿と美容成分によるアプローチ
乾燥は肌のターンオーバーを乱し、ニキビや跡の悪化につながります。セラミド、ヒアルロン酸、ナイアシンアミド配合の保湿剤は、バリア機機能を整えます。敏感肌の人は低刺激タイプを選ぶことがポイントです。
レチノールやビタミンC誘導体はコラーゲン生成を助けるため、美容液として取り入れると効果的です。
ビタミンC誘導体配合美容液は、コラーゲン生成を促し、メラニンの排出もサポートします。毎日朝晩の使用がおすすめです。
レチノール配合クリームはターンオーバーを促進し、真皮に刺激を与えてコラーゲン産生を促します。初期は赤みや皮むけが出ることもあるため、週2~3回から始めると安心です。
ナイアシンアミドは、皮膚の弾力を改善し、炎症を抑える働きがあります。ビタミンCとの併用も可能です。
睡眠とストレス管理
成長ホルモンが分泌される睡眠中は肌の修復が活発に行われます。22時~2時は成長ホルモンの分泌が盛んになり、肌の修復が進む時間帯です。夜更かしを避け、できれば0時前には眠る習慣をつけることが望ましいです。また、ストレスはホルモンバランスを乱し皮脂分泌を増加させるため、運動や趣味で心をリラックスさせる時間を確保しましょう。
肌のマッサージと血行促進
血流が滞ると栄養が届きにくくなり、肌の修復が滞ってきます。顔のリンパマッサージやホットタオルによる温熱ケアは、血行を促進し代謝を上げます。ただし、強くこするマッサージは逆効果になるため、やさしい圧で行いましょう。
早目にニキビの炎症を抑えるケア
クレーターの大きな原因はニキビの炎症の長期化です。赤ニキビや膿ニキビができたら、自己判断で潰さず、皮膚科や美容クリニックでの治療や薬の使用で早めに炎症を鎮めることが重要です。
ニキビ跡のセルフケアで悪化させないための注意点
ニキビ跡のケアは「やりすぎ」が逆効果になることがあります。セルフケアは「肌にやさしい方法をコツコツ続ける」ことが大切です。強い刺激を避け、正しい洗顔・保湿・紫外線対策を習慣化するようにしましょう。
強すぎるピーリングやスクラブは逆効果
ピーリングやスクラブは古い角質を除去してターンオーバーを整える効果がありますが、頻度が多すぎたり粒子の粗いスクラブを強く擦り込んだりすると、肌のバリア機能を壊してしまいます。バリア機能が低下すると皮膚は刺激に弱くなり、炎症や赤みが出やすくなります。さらにメラニンが過剰に生成されて色素沈着の原因にもなり、かえって色素沈着やニキビ跡を濃くしてしまうリスクがあります。
ニキビを無理に潰すのは危険
赤ニキビや膿がたまった白ニキビを指や爪で無理に潰すと、皮膚の表面だけでなく奥にある組織までダメージが及んでしまいます。肌の真皮層が傷つくと、皮膚がうまく再生できずに凹みが残り、いわゆるクレーター状の跡になってしまいます。また、その傷を修復しようとする過程でメラニンが過剰につくられると、茶色っぽい色素沈着として跡が残ることもあります。さらに雑菌が入り込むと炎症が悪化し、ケロイドのような盛り上がり跡が残る場合もあります。
ゴシゴシ洗顔や強いマッサージは避ける
清潔を保とうと洗顔をしすぎたり、力を入れてゴシゴシ擦るように洗うと、摩擦によって皮膚が刺激されます。摩擦は角質層を傷つけて水分保持力を下げ、乾燥やバリア機能の低下につながります。肌が敏感になると、ニキビ跡の赤みや色素沈着が改善しにくくなるだけでなく、新しいニキビができてしまうかもしれません。
肌のマッサージを取り入れるときは、力を入れすぎないことが大切です。強く押したりこすったりすると、肌に小さな傷や炎症を起こしやすくなり、かえって赤みや悪化につながってしまいます。指先や手のひらで肌をやさしくなでるように触れるようにしましょう。血流を促したり、保湿剤をなじませたりする程度の軽いタッチで十分に効果があります。
ニキビ跡のクレーターを治す方法
クレーターを確実に治したいなら、真皮層や皮下脂肪組織を再生させる美容クリニックで行うレーザー治療(フラクショナルレーザー)やケミカルピーリング、ダーマペン、幹細胞治療、培養表皮移植などがお勧めです。これらの治療では、レーザー治療で肌表面の再生を促進させたち、コラーゲン生成を促進したりすることで、クレーターを滑らかにしていきます。幹細胞治療や培養表皮移植は肌質からの根本治療が可能となります。適切な治療を受ければ、肌のクレーター状の凹凸の改善から、赤味や色素沈着のニキビ跡の症状を和らげることは可能です。
ニキビ跡とクレーターに関するよくある質問
ニキビ跡のクレーターはなぜできるのですか?
ニキビ跡のクレーターは、炎症が真皮にまで達し、皮膚組織が破壊されることで形成されます。炎症後に皮膚が再生する際、コラーゲンの生成が不足したり、瘢痕が残ったりすることで凹みや凹凸が生じます。特に、放置した炎症性のニキビや適切なケアができていなかった場合にクレーターができやすくなります。
ニキビ跡のクレーターは自力で治せますか?
ニキビ跡のクレーターは自力で完全に治すのは難しいです。浅い凹みであればスキンケアやビタミンC配合の化粧品で改善する可能性もありますが、真皮までダメージが及んだ深いクレーターは再生医療やレーザーなどの治療が必要です。専門医と相談することをおすすめします。
ニキビ跡のクレーターの種類にはどのようなものがありますか?
ニキビ跡のクレーターには、ローリング型、アイスピック型、ボックス型の3種類があります。ローリング型は皮膚が波状に凹むタイプで、アイスピック型は針で刺したような細く深い凹みが特徴です。ボックス型は角ばった浅い凹みができるタイプです。種類によって治療法が異なるため、適切なケアを受けることが重要です。
ニキビ跡のクレーターにはどのような治療法がありますか?
ニキビ跡のクレーター治療には、レーザー治療やダーマペン、ケミカルピーリング、真皮層にアプローチする再生医療などがあります。治療はクレーターの種類や深さによって異なり、浅い凹みであればピーリングや軽いレーザーで改善が期待できますが、深い凹みや萎縮性瘢痕にはより専門的な治療が必要です。
ニキビ跡のクレーター治療はどのくらい効果が出ますか?
ニキビ跡のクレーター治療の効果は、凹みの種類や深さ、選ぶ治療法によって異なります。浅いクレーターは数回の治療で目立たなくなることがありますが、深い凹みには長期的な治療が必要になることもあります。治療を受ける前に、医師と目指す仕上がりや期間について相談することが大切です。