シミができる原因とシミを増やさないための対策

シミの原因

夏になるとシミが濃くなった、シミが目立ってきたと思う方が多くいます。
シミは肌のメラノサイト細胞によって作られるメラニン色素が皮膚に蓄積し、茶褐色に見える状態です。このメラニンは通常、肌を紫外線のダメージから保護するために存在し、肌の自然なターンオーバー(新陳代謝)によって一定期間で排出されます。ターンオーバーは健康な肌では約28日の周期で行われます。

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シミの原因

肌にダメージがあると、メラノサイトという細胞が活動を始め、保護するためにメラニンという色素を作り出します。しかし、過剰に紫外線にさらされてメラニンが必要以上に多く作られたり、加齢やストレスなどが原因でターンオーバーの周期が乱れると、うまく排出されなくなり、メラニンが剥がれ落ちずに肌に溜まってシミになります。

紫外線によるダメージ

肌は紫外線に長時間さらされると、肌を守るためにメラニンが過剰に生成されます。は通常はターンオーバーによってメラニンは体外に排出されますが、紫外線を多く浴びて多量のメラニンが生成されると排出が追いつかなくなるため、メラニンが蓄積されシミとなって表面に現れるようになります。

ホルモンの変化

妊娠、出産、更年期などでホルモンバランスが崩れると、メラニン色素の分泌が増えて肝斑(シミ)ができます。肝斑は30代後半から目立つようになり、特に妊娠中は「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌が多くなるため、肝斑ができやすくなります。また肝斑は、紫外線によって濃く大きくなります。

間違った化粧品やお手入れ

肌をこすり過ぎるようなお手入れやマッサージをしたり、または乾燥肌なのに、刺激の強い化粧品を使うなど、肌に過剰に刺激を与えるとメラニンが生成され、シミを引き起こす可能性があります。

生活習慣の乱れとストレス

ストレスは自律神経を乱し、ホルモンバランスに影響を与えます。睡眠不足や栄養が偏っている食生活、運動量が不十分、アルコールやタバコなどの悪習慣は、肌のターンオーバーを乱すようになります。ターンオーバーは正常に行われないとメラニン色素が肌に蓄積されシミができやすくなります。

シミを増やさないために自分でできるシミ対策

シミの原因には個人差があるため、ご自分のシミのタイプや原因を把握することが大切です。シミを予防するためには、紫外線対策やスキンケアをしっかり行うこと、健康的な生活習慣を心がけることが必要です。

紫外線対策で肌を守る

紫外線は肌にシミやそばかすの原因となるため、日焼け止めなど紫外線ケアが重要です。日焼け止めは日常的な使用にはSPF30が適しており、より強い日差しの下ではSPF50+、PA+++以上がお勧めです。また、日傘や帽子、サングラスを併用することで、さらに肌を紫外線から守ることができます。紫外線は春から夏にかけて強くなり一年中存在するため、特にシミができやすい人は、日傘や広いつばの帽子、長袖、長ズボン、サングラスを使いましょう。

スキンケアを見直す

シミの対策には日々の保湿ケアも重要です。肌の乾燥は肌のバリア機能を低下させ、ターンオーバーが乱れる原因になるため、シミが濃くなるリスクがあります。肌の潤いバリアは、紫外線や摩擦などの外部刺激から肌を守る役割があるため、セラミド成分入った保湿クリームや化粧水は、肌の水分を保持するのに役立ちます。
洗顔や体を洗う際には、肌を強く擦らずに、優しく洗い、タオルで押し当てるようにして水分を取り除きましょう。また、メイク落としや化粧水を使う際には肌を擦りすぎないよう注意し、シミの予防にも効果的な美白化粧品を適切に使用することが大切です。

生活習慣を改善する

シミの予防には食生活や睡眠の改善も重要です。バランスの取れた食事によってビタミンA、C、Eなどの肌の再生に必要な栄養素を摂取し、肌のターンオーバーを助けましょう。過度なストレスや睡眠不足は活性酸素を増加させ、メラニン色素が過剰に生成されると言われています。睡眠時には成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバーが促進されます。適度は運動でストレスを発散し、良質な睡眠を心がけましょう。

シミの予防によい食べ物

ビタミンCはメラニン色素の生成を抑える働きがあり、ビタミンEは血行を促進したり、抗酸化作用の働きがあります。
ビタミンCを多く含む食品には、グレープフルーツやオレンジ、レモン、ライムなどの柑橘類、また赤ピーマンやパセリ、芽キャベツ、ピーマン、モロヘイヤ、ブロッコリーなどがあります。ビタミンEはナッツ類、うなぎ、アボガド、胚芽米、サケがお勧めです。

出来てしまったシミは消せるのか?

すでに出来てしまったシミは、メラニンの生成や酸化を抑えることで薄くすることはできますが、セルフケアだけでキレイに消すのは難しいです。自己判断でのシミケアを間違えていると、逆に悪化してしまうこともあります。シミの原因は一つでないことが多く、肝斑やADM(後天性真皮メラノサイトーシス)など複数のシミが混ざって発症している方もいます。
セルフケアだけでシミがキレイならない時は、美容クリニックや美容皮膚科、皮膚科で専門の医師に相談しましょう。美容クリニックや美容皮膚科、皮膚科ではシミのタイプや肌の状態を正確に診断し、最適な治療法を提案してくれます。

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この記事を監修した人

征矢野 進一は、日本の医師。 長野県木曽福島町生まれ。1979年3月に東京大学医学部医学科を卒業後、1979年から1988年3月まで東京大学医学部形成外科に所属し、1988年4月に神田美容外科形成外科医院を開設。東京大学医学部附属病院の医局時代にコラーゲンの治験に携わり、日本の「注入剤によるシワ取り治療」に貢献した一人。以来長年にわたりコラーゲンやヒアルロン酸などのシワ取り注入剤の研究を重ねる。日本美容外科学会会長も務め、臨床医向けの「注入剤によるシワ取り治療」の講義を依頼され行うと共に、国内・海外で行われる美容外科学会での発表や医師向けの教科書など論文・執筆も行う。

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