そばかすを「自力で消す」って聞くと、なんだか魔法を使ってる気分になりませんか？もちろん完全にゼロにするのは難しいけれど、日常のちょっとした工夫やケアで薄くしたり広がりを防いだりすることは可能です。
そばかす（雀斑）はシミと似て非なるもの
シミの代表「老人性色素斑」
「シミ」は、多くの場合、老人性色素斑を指しています。これは紫外線の影響でできる色素沈着で、シミと呼ばれるものの約6割を占めています。長年紫外線を浴び続けた肌の部分が、年月を経ることで茶色く変化し、年齢を重ねるにつれて目立つようになることから「老人性」と名付けられました。色素の境目がはっきりしているのが特徴で、薄茶色の丸い形や楕円形をしていることが多く、特に40歳前後になると多くの人の肌に現れるようになります。
頬や鼻周辺にできる「そばかす」
一方で、「そばかす」は正式には雀卵斑（じゃくらんはん）と呼ばれています。こちらは薄茶色や黒褐色の小さな点状の色素沈着のことで、いわゆる老人性色素斑と比べると、それぞれの斑点が1～5mm程度とより細かく、頬や鼻の周辺などに現れる傾向があります。
ただし、そばかすは必ずしも顔だけに発生するわけではなく、腕など他の部位にも現れることがあります。また、老人性色素斑が主に40歳頃に見られるのに対し、そばかすは5歳前後から現れやすく、10代の若い頃、思春期になると数が増えることが多いのも特徴のひとつです。
そばかすの見分け方
そばかすの見分け方としては、夏の紫外線を多く浴びる時期には色が濃くなり、紫外線の弱まる冬の時期には色が薄くなる傾向があります。また、成人すると徐々に色が薄くなって目立たなくなっていくという特徴もあります。
そばかすのできやすい人とは
メラニン色素には種類があり、黄色から赤褐色のフェオメラニンと褐色から黒色のユーメラニンの２種類があります。
日本人は基本的にユーメラニンが多く、それが肌を黒っぽく守る役割を持つのですが、そばかすができやすいタイプの人はフェオメラニンの割合が多い傾向があります。フェオメラニンは紫外線で活性酸素が生まれやすく、赤茶色のそばかすが出やすくなる特徴があると言われています。欧米人にそばかすが多いのはこのためです。日本人では珍しいタイプですが、遺伝や体質によってフェオメラニン比率が高い人もいるわけです。
そばかすもシミも消す方法はほぼ同じ
そばかすやシミの予防やケアの方法はほとんど共通しています。すでにできてしまったそばかすやシミをこれ以上濃くしないためには、毎日のちょっとしたケアがとても重要です。
そばかすを予防するには紫外線対策が必須
そばかすの原因のひとつである紫外線の対策は外せません。紫外線にはUVAとUVBがあり、UVAは肌の奥（真皮）まで届いてそばかすも悪化させる原因になりますし、UVBは肌表面に炎症を起こしやすくします 。日焼け止めはSPF30以上、PA++以上を選び、毎朝しっかりと顔や露出部分に塗ると同時に、2〜3時間ごとに塗り直すのが効果的です。さらに帽子や日傘、サングラスで物理的に紫外線をブロックするのも大切なポイントです。
紫外線対策がしっかりできれば、そばかすが濃くなる・増える機会を減らす効果が期待できます。
そばかすを身体の内側からのケア
体の内側からのケアは、抗酸化作用の強い栄養素を日常的に取り入れることで、メラニン生成の過剰な活性化を抑えたり、ターンオーバーを整えたりできます。
食生活を見直して肌の状態を整える
ビタミンCはメラニン合成を抑える働きがあり、ビタミンEは血流を良くして肌再生を助ける効果があります。例えばレモンやイチゴ、キウイ、パプリカ、ブロッコリーといった野菜・果物にはビタミンCが豊富。ナッツ類やアボカド、植物油に含まれるビタミンEも取り入れやすく、おやつにナッツを少し食べるなどで無理なく続けられます。これらの成分はそばかすだけでなく、全体の肌の調子を良くする栄養素としても有効です。
サプリメントや内服薬で補う
また、内服薬やサプリメントを使って同じ栄養素を補う方法もありますが、まずは食事から自然に摂るのがおすすめです。サプリメントはあくまでも補助として、健康的な食生活のサポートとして活用しましょう 。
市販のクリームや外用薬でそばかすをケア
自宅で取り入れられるケア方法として、トラネキサム酸やハイドロキノン、トレチノインを使った外用も効果が期待できますが、使い方には注意が必要です。
トラネキサム酸やハイドロキノン、トレチノインはメラニン生成を抑えたりターンオーバーを促したりする作用がありますが、人によっては肌の赤みや炎症が出る可能性もあります。クリーム状で販売されている市販品は濃度が比較的低く、試しやすいものもあるので、夜のスキンケア後にごく少量を気になる箇所に塗って、肌の状態を確認しながら続けるのがいいでしょう。
ピーリング石鹸や酵素洗顔も、角質をやさしく取り除いて化粧のりが良くなるなどの効果が期待できます。ただ、刺激が強い場合はしっかり保湿するようにしましょう。
メイクでそばかすを隠す
メイクによってそばかすを自然にカバーする方法もあります。コンシーラーやコントロールカラーを肌色に合わせて軽く使えば、目立ち具合を調整できます。最近では「そばかすメイク」として、敢えてそばかすを活かすトレンドもあり、自分の肌への受け止め方を変えるチャンスにもなります。
そばかすは自然に消える？
「そばかすは自然に消える？」と気になる人もいると思いますが、遺伝や体質の影響が強いため、完全に自然に消えるのは難しいかもしれません。ただ、年齢やホルモンのバランスが変わったりすることで、だんだんと薄く目立ちにくくなることはあります。特に子どものそばかすは、成長とともに徐々に薄くなることもあります。
紫外線対策を欠かさず、栄養素を意識した食生活、やさしい外用クリームやスキンケア、メイク術を組み合わせれば、目立ちにくくなるケースも多くあります。
美容医療でそばかすを消す
セルフケアを続けても「もっとしっかり改善したい」「もっとしっかり消したい」と思うときに検討できるのが、美容医療の施術です。フォトフェイシャル（IPL）やレーザートーニング、ピコレーザーといった施術があり、Qスイッチレーザーによるそばかす治療も人気です。
これらはそばかすの濃さや範囲によって治療内容や施術回数、ダウンタイムが異なるため、しっかり効果を求める場合は、皮膚科や美容皮膚科の医師とよく相談して、自分に合ったものを選びましょう。
自力ケアで大切なのは続けやすくやさしい習慣を重ねることです。紫外線対策を毎日続け、栄養バランスを意識し、肌に合った外用ケアを無理なく取り入れるようにしましょう。
