ヒアルロン酸は塗る?飲む?貼る?注射?しわ・たるみに効果があるヒアルロン酸とは。

肌に良いヒアルロン酸の効果とは
目次

ヒアルロン酸とは

ヒアルロン酸は、医学的には「ムコ多糖類」とも呼ばれ、体内に元々存在する保湿成分です。ゼリー状の性質を持ち、細胞間を埋める役割を果たします。この特性により水分の保持だけでなく、クッションのような機能も担い、肌の潤い、肌のハリと弾力、肌の乾燥も防いでくれます。
ヒアルロン酸は、加齢によって失われていく肌の保湿成分で肌にとって欠かせない存在です。肌が潤いを保ち、弾力をキープするために非常に重要です。ヒアルロン酸は体内に広く分布しており、肌、軟骨、目の水晶体などに存在しますが、その中でも約半分は肌に集中しています。特に「真皮」と呼ばれる肌の奥深くに多く存在しています。真皮は肌の基盤を支える「コラーゲン」と、コラーゲンを結びつける「エラスチン」で構成されています。ヒアルロン酸はこの構造の隙間を埋め、水分をしっかり保持することで、肌に潤いとハリを与え、乾燥を防ぎます。
しかし、体内のヒアルロン酸は30代以降から徐々に減りはじめます。加齢とともにヒアルロン酸が減少すると肌は水分を保持できなくなり、ハリがなくなってくるとシワやたるみ、小ジワやハリ不足が発生するようになります。

ヒアルロン酸の減少が肌のしわやたるみの原因になる

30代からヒアルロン酸は減少し始め、肌のしわやたるみの原因となります。
これを改善するためには、ヒアルロン酸が有効で、即効性があるため、エイジングケアを手軽に始めたい方に最適です。

塗るヒアルロン酸って本当に効果あるの?肌のハリとうるおいを高める正しい使い方

ヒアルロン酸…スキンケアや美容の話題になるとよく聞くワードです。年齢とともに体内のヒアルロン酸量は減少するため、自力で外部からヒアルロン酸を補充する「保湿ケアとして」「塗る」「飲む」「貼る」ヒアルロン酸の方法が注目されています。
塗るヒアルロン酸のタイプは美容液やクリーム、パックなどで簡単に使えて、自分で心地よくケアできるところが嬉しい特徴です。ただし「塗るだけで本当に効果あるの?」と気になる声もあるので、正しい使い方や効果の仕組み、副作用のリスクまで、しっかり理解したいところです。

「塗る」ヒアルロン酸のポイント

塗るヒアルロン酸は、肌の表面を保湿し、乾燥を防ぐのに有効なため、ヒアルロン酸を配合したスキンケア製品は、市販されている多くの化粧品に含まれています。
塗るヒアルロン酸のポイントは「吸収を促すケアとタイミング」にあります。洗顔後は肌が乾燥しやすく、クリームや美容液前の状態にヒアルロン酸をなじませると、成分が入りやすくなるんです。具体的には、最初に化粧水で肌を整え、そのあとヒアルロン酸入りの美容液やクリームを顔の中心から外側へ向かって軽く押さえるように塗っていきます。肌を押さえることで、成分の浸透が促されると同時に、リンパの流れがよくなってむくみやくすみ解消にもつながります 。

保湿力が高くなる塗るヒアルロン酸

効果をさらに引き出すには塗るヒアルロン酸ケアにマッサージを加えてみましょう。手の平で温めてから塗ると、肌の角質が柔らかくなり、ヒアルロン酸が効きやすくなるんです。このひと手間で、翌朝の肌のもっちり感が全然違って感じられます。朝晩のスキンケアのルーティンに取り入れることで、肌の保湿力が日々高まる実感を得られますし、乾燥が気になる季節やエアコンの効いた室内でも安心感があります。

むくみを軽減するヒアルロン酸

塗るヒアルロン酸の効果は保湿だけではありません。むくみやくすみが軽減され、肌にハリが出て“満ちた”ような印象になるのも魅力。使い続けていると、肌が柔らかくふっくらして、化粧のりもよくなるから「スキンケアの手応え」を日々感じやすくなります。そして朝の仕上がりが段違いなのも塗るタイプならではのメリットです 。

塗るヒアルロン酸を使うタイミング

使うタイミングはとても大切です。洗顔後すぐの、肌が乾燥しやすい状態にヒアルロン酸を塗ると、角質層が水分を取り込むチャンスが高まります。化粧水で整えたあとに、美容液やクリームの一番最初にヒアルロン酸を塗布することで、水分保持の導入剤としての役割を果たしてくれます 。特に低分子タイプなら角質層まで届きやすく、翌朝のもちもちした肌感に繋がります。

ヒアルロン酸と相性の良い成分を一緒に使う

ヒアルロン酸と相性の良い成分を一緒に使うのも効果的です。
ヒアルロン酸塗布後にビタミンC誘導体やペプチド配合の美容液を重ねることで、肌のハリ回復やコラーゲン生成を助ける効果が期待できます 。乾燥や小ジワが気になる40代以上の世代なら、この組み合わせは特に有効です。ビタミンC誘導体はコラーゲン生成をサポートしてハリをキープしますし、セラミドやアミノ酸は角質層のバリアをしっかりサポートします。
美容液を選ぶときには、こうした保湿・整肌成分が入っているか確認すると、より効果を実感しやすくなります。

「貼る」ヒアルロン酸のポイント

貼るタイプのヒアルロン酸は、主に目元や口元などの部分的なケアを目的とした製品に使われています。ヒアルロン酸の針状の構造(マイクロニードル)を皮膚に貼る製品では、肌の浅い部分に直接ヒアルロン酸を届けることで、肌表面の保湿効果だけでなく、浅いシワやハリ不足の改善が期待できます。乾燥による小じわが気になる箇所では、肌をふっくらさせる働きがあります。

ヒアルロン酸パックやシートマスクの貼るヒアルロン酸

「貼る」タイプのヒアルロン酸パックやシートマスクもあります。これはピンポイントで集中保湿したいときや、夜のご褒美ケアにぴったり。長時間うるおいを保持し、肌のバリア機能を一時的に高める役割があります。ただし使いすぎると角質がふやけて皮むけを引き起こすこともあるため、週に1〜2回程度が目安になります。

「飲む」ヒアルロン酸の効果

飲むヒアルロン酸(サプリメント)やドリンクでは、体内で吸収された成分が全身に働きかけるため、直接肌のみに効果が現れるわけではありません。ただし、体内の水分保持力を高めることで、肌の乾燥を軽減し、全体的なコンディションをサポートすることが期待されています。

生活習慣でヒアルロン酸の効果が変わる

食事や睡眠、適切なスキンケアなどの生活習慣も肌の健康に大きく影響します。生活習慣の改善でもヒアルロン酸の効果を高められます。質の良い睡眠、適度な運動、バランスの良い食事を心がけることで新陳代謝がアップし、ヒアルロン酸が働きやすい肌環境が整います。特に夜寝る前に塗ると、寝ている間にじっくり水分を閉じ込め、翌朝のふっくら肌にうれしくなります。

また、長く続けるほどに肌質は変わっていきます。朝晩を半年ほどコツコツ続けていくと、季節や疲れ時でも肌の“満足感”が保てるようになります。急激な変化はありませんが、日常の中で着実に自分に自信を持てる肌に変えていく楽しみがあるのが塗るヒアルロン酸の魅力です。

セルフケアのヒアルロン酸の限界

しかしヒアルロン酸は分子が大きいため、皮膚の深層にまで浸透することは難しいとされていますが、肌の表面をしっとりさせ、柔らかく保つ効果があります。
ただし、深いシワやたるみの改善には限界があります。

美容クリニックのヒアルロン酸注入の特徴

ヒアルロン酸注入で解消する

ほうれい線や深いしわに悩んでいる方は、注入によって効果が期待できます。
ヒアルロン酸注入は、肌のボリュームを補完しながら、顔全体のバランスを整え、若々しい印象を取り戻すことが可能です。また、施術後のダウンタイムが少ないことも大きな魅力で、忙しい方でも手軽に受けることができます。
さらに、ヒアルロン酸注入はシワやたるみだけでなく、肌全体のハリや弾力を取り戻し、肌の保湿力を高める効果もあります。肌の水分を保持する力が強いため、時間が経つごとに効果が実感できるのも特徴です。施術後すぐに効果が見られることが多いため、大切なイベント前や写真撮影を控えている方にもぴったりです。

深いシワやたるみを改善したい場合、美容クリニックで行われるヒアルロン酸注入治療がお勧めです。ヒアルロン酸を直接真皮層に注入することで、肌のハリや弾力を取り戻すことができます。
ヒアルロン酸注入は、他の美容医療と比較してもダウンタイムが少なく、短期間で効果を実感できることが魅力です。もちろん、施術後には一時的な赤みや腫れが生じることもありますが、すぐに回復し、日常生活に支障がないのも多くの方に支持される理由です。
また、施術が短時間で行えるため、忙しい方でも負担なく受けることができるのも嬉しいポイントです。また、効果の持続期間は約半年から1年とされており、定期的なメンテナンスを行うことで長期間にわたって若々しい肌を保つことができます。

ヒアルロン酸注入のお勧めの部位

ヒアルロン酸注入はほうれい線や目元のシワ、フェイスラインのたるみなどに悩んでいる方にお勧めです。ヒアルロン酸注射は自然なボリュームを持たせ、若々しい表情を取り戻す手助けをしてくれるため、注目されています。また、唇のボリュームアップや鼻やあごの形を整えることもできるため、顔全体のバランスを調整したい方にもお勧めです。

ヒアルロン酸注入は医師の技術力と経験で差が出る

もう一つ見逃せないのが「医師の腕」です。ヒアルロン酸注射を受けるクリニックやドクターの技術レベルによって、仕上がりや安全性が大きく変わることがあります。注射は見た目以上に繊細な施術で、注射する箇所や深さが少し違うだけでも、仕上がりが全然違ってきます。さらに、間違った箇所に注射してしまうと、神経や血管にダメージを与えるリスクがあるため、信頼できるドクターを選ぶことが、何よりも大事なポイントです。

ヒアルロン酸注入の効果は永久ではない

ヒアルロン酸は永久的な効果を期待できるわけではありません。注入したヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されてしまうため、数ヶ月から1年ほどで効果が薄れていきます。定期的にメンテナンスとしてヒアルロン酸注入を繰り返す必要があります。継続的に通うことになると、時間や費用の負担も無視できません。初めての施術で満足しても、それをキープするためにはその後のケアが欠かせません。

ヒアルロン酸注入のリスクや副作用

ヒアルロン酸注入に興味があるなら、まずはリスクについてしっかり理解しましょう。多くの方が美容医療の選択肢として取り入れているヒアルロン酸注射ですが、注射を受ける前に、リスクや副作用について知っておくようにしましょう。
ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分なので、注射しても自然で安心だという話を聞いたことがあるかもしれません。確かに、それは一面の真実ですが、だからといって100%安全とは言い切れません。アレルギー反応や腫れ、さらには注射後の痛みが長引くこともありますし、体質によっては合わないこともあり得ます。

ヒアルロン酸注入後のダウンタイム

注射後のダウンタイムも気にしておくべきポイントの一つです。多くの場合、数日間は腫れや赤みが続くことがありますし、人によっては内出血が残ることもあります。見た目に影響があると、外出を控えたくなることもありますよね。特に顔への施術の場合、ダウンタイムの長さが気になるところです。スケジュールに余裕を持って施術を受けることを考えておくと、後悔せずに済むでしょう。

ヒアルロン酸注入は自由診療

最後に、費用の面でも慎重になることが大切です。ヒアルロン酸注射は保険適用外の自由診療ですので、クリニックごとに価格が異なります。あまりに安いクリニックだと、質の低いヒアルロン酸を使っている場合もありますし、技術的に不安が残ることも考えられます。高ければ良いとは言い切れませんが、信頼できるクリニックを選ぶことが何よりも重要です。

ヒアルロン酸のまとめ

ヒアルロン酸は、肌の潤いやハリを保つために重要な成分です。「塗る」「飲む」「貼る」といった方法で外部から補給することができますが、それぞれの方法には効果の限界があります。
美容医療を選ぶ際は、見た目の変化や効果ばかりに目を向けるのではなく、リスクや長期的なコストも考慮に入れることが必要です。しっかり情報を集めて、自分に合った選択をするための準備をしておくことが、結果的に満足度を高めるポイントになります。ヒアルロン酸注射に興味があるなら、リスクについてもしっかり学んで、納得した上で決断することが大切です。自分にとって最適な方法を見つけるために、信頼できる情報をもとに選択していきましょう。

ヒアルロン酸に関するよくある質問

ヒアルロン酸を飲むことでどのような効果が期待できますか?

ヒアルロン酸を飲むことで、体内から保湿力を高める効果が期待されています。サプリメントとして摂取することで、皮膚の水分量が向上し、乾燥による肌荒れやくすみを改善する手助けをします。ただし、飲むヒアルロン酸の効果は個人差があり、即効性は注射や塗るタイプの製品に比べて低い場合があります。そのため、ヒアルロン酸を飲む場合は、継続的に摂取することがポイントです。また、美容効果を最大限に得るためには、ビタミンCやコラーゲンなど、他の美容成分を一緒に摂取することもおすすめです。

ヒアルロン酸を塗る方法は効果的ですか?

ヒアルロン酸を塗る方法は、肌の表面に潤いを与えるのに有効です。スキンケア製品に配合されたヒアルロン酸は、皮膚の乾燥を防ぎ、柔らかくなめらかな肌を保つのに役立ちます。ただし、分子が大きいため、皮膚の深層まで浸透することは難しいとされています。そのため、即効性や深い保湿を求める場合は、医療クリニックでの注射や施術を検討するのも良い選択です。スキンケアとして使用する場合、化粧水や美容液に配合された高濃度の製品を選ぶことがポイントです。

ヒアルロン酸を飲むことと塗ることの違いは何ですか?

飲むヒアルロン酸は、体内からの保湿力向上や美肌効果をサポートする方法です。一方、塗るヒアルロン酸は、肌の表面に直接潤いを与え、即効的に乾燥を和らげる方法となります。どちらも美容に有効な方法ですが、それぞれ効果の出方が異なります。飲むタイプは内側から肌全体のコンディションを改善し、長期的なケアに向いています。一方で塗るタイプは、即効性を求める場合や特定の箇所を集中ケアしたいときに適しています。目的や肌の状態に応じて使い分けると良いでしょう。

ヒアルロン酸注入と塗るタイプではどちらが良いですか?

ヒアルロン酸注入は、クリニックで行う医療施術で、シワやたるみを改善するために肌に注入します。効果に即効性があり、持続期間も塗るタイプと比較して長いのが特徴です。一方で、塗るタイプはスキンケアとして使用し、肌表面の保湿や柔らかさを保つ目的に適しています。どちらを選ぶかは目的によりますが、即効性や深いケアを求める場合は注入が適しており、日常的なスキンケアとしては塗るタイプが便利です。いずれの場合も、信頼できるクリニックや高品質な製品を選ぶことが大切です。

ヒアルロン酸のデメリットはありますか?

ヒアルロン酸を摂取すること自体に大きなリスクはありませんが、いくつか注意点があります。まず、サプリメントとして飲む場合、即効性は期待できず、効果を実感するまでに時間がかかることがあります。また、過剰摂取は消化不良などの体調不良を引き起こす可能性があるため、適量を守ることが大切です。また美容クリニックでのヒアルロン酸注入の場合は、医師の技術や製剤の質によって仕上がりが異なるため、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。
それぞれの方法のメリットとデメリットを理解し、目的に合った方法を選びましょう。

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この記事を監修した人

征矢野 進一は、日本の医師。 長野県木曽福島町生まれ。1979年3月に東京大学医学部医学科を卒業後、1979年から1988年3月まで東京大学医学部形成外科に所属し、1988年4月に神田美容外科形成外科医院を開設。東京大学医学部附属病院の医局時代にコラーゲンの治験に携わり、日本の「注入剤によるシワ取り治療」に貢献した一人。以来長年にわたりコラーゲンやヒアルロン酸などのシワ取り注入剤の研究を重ねる。日本美容外科学会会長も務め、臨床医向けの「注入剤によるシワ取り治療」の講義を依頼され行うと共に、国内・海外で行われる美容外科学会での発表や医師向けの教科書など論文・執筆も行う。

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