横顔美人になる?鼻を高く、アゴのEラインを整えるプチ整形。失敗したらどうなるの?

ハイドロキシアパタイト注入(レディエッセ)
目次

Eラインを整えて横顔美人になる

横顔の美しさを測るときに、Eラインという言葉を聞いたことがありますか?Eラインとは、鼻の先端と顎の先端を直線で結んだもので、このラインに口唇が沿っているかどうかで、横顔の美しさが判断されます。Eラインは、エステティックラインの略で、美的感覚を表す言葉です。この概念は、アメリカの矯正歯科医ロバート・リケッツ氏が提唱した軟組織分析法の一つです。
多くの人は、自分の顔を鏡で見るときに、正面からしか見て、コンプレックスや美容整形の必要性を感じてしまうことがあります。しかし、実際には、周りの人は正面よりも横顔を見る機会がずっと多いのです。それに気づいた美意識の高い女性たちが、Eラインを重視した横顔整形に興味を持っています。

ハイドロキシアパタイト注入(レディエッセ)とは? - レディエッセの特徴や効果

レディエッセ注入の特徴/輪郭形成

レディエッセ注入は、輪郭形成に効果が期待できる注入治療法です。
レディエッセは、米国のBristol-Myers SquibbとBioForm Medicalによって開発された注入物です。構成要素のカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHA)は、数十年前から形成外科や整形外科、歯科、耳鼻科、泌尿器科などの多くの診療科で使用されています。交通事故による骨の変形や陥没、声帯異常による発声困難、尿失禁など、多くの症状に対する治療に使用されています。また、美容分野でもシワ治療などに使用されるハイドロキシアパタイト(レディエッセ)は、人工的に合成されており、不純物は含まれていません。そのため、非毒性、非抗原性、非発がん性、非アレルギー性の安全性が高く、多くの方に利用されています。

レディエッセは、骨様の組織形成とともにコラーゲン生成を促進し、ハイドロキシアパタイトがゆっくりと分解されていくため、長期的な効果の持続が期待できます。ヒアルロン酸よりも少ない注入量で12~18ヶ月と持続期間が長く、仕上がりも自然です。他の注入剤よりも粘性と弾性が高く、注入した部位をしっかりと持ち上げ、鼻やアゴの輪郭形成、フェイスラインの整形に効果が期待できます。

レディエッセ注入には、腫れや内出血、感染症のリスクがあります。年齢や代謝能力、注入部位などで個人差があるため、治療方法や仕上がりについては医師と相談することが大切です。

レディエッセ注入のメリットとデメリット

レディエッセ注入のメリット

カルシウムハイドロキシアパタイトを主成分とした注入剤、レディエッセは、持続期間が約12ヶ月~18ヶ月と比較的長く、アレルギーテスト不要で誰でも手軽に治療を受けられます。特に、陥没部位のボリュームアップや、鼻・あごの輪郭形成の治療を希望される方に向いています。
ハイドロキシアパタイトは、液体成分ではなく微細均一な粒子であるため、周囲にしっかりと馴染み、持ち上げる力や形状のシャープさを作り出すことができます。さらに、粒子が柔らかいため、皮膚に自然な仕上がりをもたらし、注入後には繊維芽細胞がコラーゲンを増殖させ、持続性に優れます。また、生体分解性物質であるため、徐々に体内に吸収されていくので、手術不要でシンプルな輪郭形成が可能となっています。

レディエッセ注入のデメリット

レディエッセは持続性が高いのが特徴ですが、元に戻したいと思った時、吸収されるのに時間がかかるため注意が必要です。また、ハイドロキシアパタイトには分解する酵素がないため、失敗したと思った際の修正が難しい治療でもあります。そのため、1回で完了させず数回の注入をお勧めする場合があります。
そして、レディエッセは細かいシワの治療には向いていません。ヒアルロン酸と比較して硬い物質であるため、柔らかい部位に注入すると硬いしこりができ、凸凹になることがあります。
さらに、長期持続型ヒアルロン酸にはリドカインという局所麻酔成分が含まれていますが、レディエッセの注入の場合は局所麻酔が必要であるため、注射による腫れが出てしまい、正確に患者の希望する形に仕上がらない可能性があります。また、目の周りや唇のボリュームアップなど、レディエッセが適していない部位には他の注入剤を使用することがお勧めです。

レディエッセ注入適応の部位

鼻筋を通す、あごやフェイスラインの形を整える、頬のボリュームアップ、こめかみをふっくらさせるなどに効果があります。

レディエッセ注入の治療回数

レディエッセ注入の治療回数に関しては、通常は1回の治療で効果が得られます。ただし、部位によっては、深いシワや凹みを治療する場合は、追加の治療が必要になることもあります。詳細については、治療を受ける前に医師に相談し、自分に合った治療プランを立てるようにしましょう。

レディエッセ注入とヒアルロン酸注入の違い

レディエッセ注入とヒアルロン酸注入の持続期間の違い

レディエッセは、従来のヒアルロン酸製剤に比べて拡散しにくく、水分を吸収してふくらむような性質がないため、鼻やアゴを形成する際にキレイに仕上げることができる製剤です。また、非動物由来の成分なので、皮内テスト不要でアレルギー反応も起こりません。効果の持続期間は、個人差がありますが約11ヶ月から18ヶ月であります。一方、ヒアルロン酸は、注入後3ヶ月から12ヶ月くらい持続し、徐々に肌に吸収されていきます。

レディエッセ注入とヒアルロン酸注入の使用する部位の違い

レディエッセはヒアルロン酸と違い、注入剤の色が白いため、 皮膚の薄い部位や皮内に注射した際に白浮きします。そのため目の周り、眉間、額のシワや唇のボリュームアップには向いていません。目の下のたるみ、唇のような皮膚の薄い部位はヒアルロン酸の方がお勧めです。レディエッセは頬、こめかみなど痩せてしまった部位や鼻やアゴなど形や高さを出したい部位にお勧めです。

レディエッセ注入とヒアルロン酸注入の修正の違い

鼻やアゴ、シワの注入部位を修正したい場合、ヒアルロン酸はヒアルロン酸分解酵素であるヒアルロニダーゼを注射すれば、1日でほとんど溶けて元に戻りますが、レディエッセは、ヒアルロニダーゼのように薬で溶解することはできません。

レディエッセ注入の失敗例と原因やリスクなど

レディエッセのトラブルは、アレルギー反応、皮膚の壊死、しびれ、注入部が凸凹になる、膨らみ過ぎてしまう、凹みが残ってしまうなどが挙げられます。
レディエッセ自体は危険なモノではなく、身体の中に入っても問題ありません。レディエッセの注入が硬化してゴツゴツしていたり、位置がずれていたり、硬く膨らんでいたりする場合は、失敗したと思うかもしれません。

失敗したと思った時のレディエッセ注入は除去できる?

レディエッセはヒアルロン酸のような溶解剤がないため、やり直しがきかず、失敗した場合は体内に吸収されるのを待つしかありません。
そのためレディエッセ注入を行う際には、医師の高い注入に関する技術と経験、しっかりしたカウンセリングによる治療プランが重要です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を監修した人

征矢野 進一は、日本の医師。 長野県木曽福島町生まれ。1979年3月に東京大学医学部医学科を卒業後、1979年から1988年3月まで東京大学医学部形成外科に所属し、1988年4月に神田美容外科形成外科医院を開設。東京大学医学部附属病院の医局時代にコラーゲンの治験に携わり、日本の「注入剤によるシワ取り治療」に貢献した一人。以来長年にわたりコラーゲンやヒアルロン酸などのシワ取り注入剤の研究を重ねる。日本美容外科学会会長も務め、臨床医向けの「注入剤によるシワ取り治療」の講義を依頼され行うと共に、国内・海外で行われる美容外科学会での発表や医師向けの教科書など論文・執筆も行う。

目次