ほうれい線、顔のたるみ、目の下のたるみを脂肪注入で改善する

ほうれい線に悩む

顔のたるみは、加齢やストレス、紫外線などの影響で、皮膚や筋肉が弾力を失い、重力に引っ張られて下がってしまう症状です。顔のたるみが進むと、目の下のクマや頬こけ、ほうれい線などが目立つようになり、老けて見えたり、疲れて見えたりします。
顔のたるみを改善する方法として、自分の体から採取した脂肪を顔に注入することで、ボリュームを補ったり、シワや凹みを埋めたりする脂肪注入があります。自分の脂肪を使うので、アレルギーや拒絶反応の心配がなく、自然な仕上がりを目指せます。また、脂肪にはコラーゲンやヒアルロン酸などの成分が含まれているので、肌質も改善するメリットがあります。

目次

顔への脂肪注入のデメリットと後悔しないための注意点

脂肪注入にはデメリットもあります。

一つは、注入した脂肪が定着しない可能性があります。注入後に脂肪細胞に十分な酸素が供給されなければ生き続けることができません。生きられなかった脂肪は体内に吸収されるため効果が持続しません。また何割かの脂肪は血行が戻らず収縮や壊死が起こるとされています。定着率は個人差がありますが、平均的には50~70%程度です。生着した脂肪は1~2か月ほどで安定し、注入した場所に半永久的に定着します。定着率を上げるためには、良質な脂肪を採取し、適切な量を注入することが重要です。また、脂肪が定着するまで注入後はマッサージを避けることも必要です。
もう一つのデメリットは、凸凹やパンパンになる可能性があることです。脂肪注入は、均一に分布させるのが難しい治療のため、注入した部分に凸凹やしこりができたり、顔全体が膨らんだりすることがあります。これらのトラブルを防ぐためには、注入量や位置を細かく調整する技術や、注入後は冷却や抗生物質などで炎症や感染を予防することが大切です。

顔の脂肪注入の定着率を上げるポイント

顔の脂肪注入において、定着率を上げるためには、以下のポイントがあります。

良質な脂肪を使用する。

脂肪をそのまま移植すると、壊れた組織や細胞のかけらなどの不要なものが混入してしまい、移植した脂肪が生き残りにくくなります。不要なものは脂肪の塊として残ったり、感染症の原因になったりする可能性があるので、脂肪を採取した後に血液や麻酔などの不要なものを除去してから注入する必要があります。

さらに、幹細胞が多く含まれる脂肪を使うと、脂肪の生き残り率が高くなります。幹細胞とは、脂肪だけでなく他の種類の細胞にも変化できる特殊な組織です。これらが血管に変わって、脂肪に十分な血液を供給します。血液が届かない脂肪は消えてしまうので、幹細胞が多いほど脂肪が定着しやすくなります。

注入後の生活に気を付ける

脂肪注入を受けた後には、術後のケアが重要です。特に最初の1ヶ月は、顔に圧力がかからないように注意する必要があります。例えば、横向きで寝たり、枕で顔を押さえたりすると、脂肪が移動したり定着しない可能性があります。また、顔を洗ったり化粧したりする際も、優しく触るようにしましょう。さらに、マッサージなども避けるようにしましょう。マッサージはしこりの発生や脂肪の壊死、脂肪の吸収が早まることにつながります。定着する目安となる3ヶ月以内はマッサージをしないようにしましょう。

信頼できる医師、クリニックを選ぶ

脂肪注入の定着率は個人差があります。同じ量の脂肪を注入しても、人によって定着率が異なることがあります。これは、体質や年齢、注入部位や方法などによって変わります。そのため、脂肪注入を受ける前には、信頼できる医師と相談して、自分に合ったプランを立てることが大切です。

顔の脂肪注入の持続期間は?効果は何年もつ?

顔の脂肪注入は、一回の施術で移植した脂肪の効果が一般的には3年〜5年、長くて半永久的に持続します。個人差がありますが移植した脂肪の50%~70%は生着し1~2か月ほどで安定しますが、残りは体に吸収されてなくなります。残った脂肪は体に吸収されることはなく、そのまま残ります。

脂肪注入とヒアルロン酸注入の違いとメリット

脂肪注入とは、自分の体の脂肪を吸引して顔に注入する方法です。脂肪は自分の体の一部なので、拒絶反応やアレルギーの心配がありません。また、ご自分の脂肪は皮下組織に定着するので、半永久的に効果が持続します。
一方、ヒアルロン酸注入は、人工的に作られたヒアルロン酸を顔に注入する方法です。ヒアルロン酸は水分を保持する力が高く、顔にハリやツヤを与えます。また、ヒアルロン酸は体内で分解されるので、副作用や合併症のリスクが低いです。「ヒアルロン酸注入」の効果は永久ではなく、時間の経過とともに体内に吸収されますので、効果が持続する期間は個人差がありますが、約4ヶ月〜12ヶ月になります。

脂肪注入とヒアルロン酸注入のどちらがいいか?

脂肪注入とヒアルロン酸注入のどちらが自分に合っているかというと、それは部位や目的によって異なります。例えば、頬こけや目の下の凹みなどは、脂肪注入の方がより自然な仕上がりになります。しかし、脂肪注入は一度に大量に行うと凸凹になる可能性があります。また、脂肪の採取のための脂肪吸引によるダウンタイムや痛みも考慮しなければなりません。一方、ヒアルロン酸注入は切る手術を行いませんので気軽に受けて効果を得られます。しかし、ヒアルロン酸注入は、デメリットとして持続期間が脂肪注入と比べて短く、効果を持続させるためには繰り返し施術を行う必要があるため、トータルでコストが高くなる場合があります。

以上のように、脂肪注入とヒアルロン酸注入にはそれぞれ違いとメリットがあります。自分の希望や予算に合わせて適切な方法を選ぶことが大切です。美容医療を受ける前には必ず専門の医師に相談しましょう。

まとめ

脂肪注入は、顔のたるみや目の下のたるみ、クマを改善する有効な方法ですが、デメリットもあります。そのため、治療を受ける前には、医師としっかり相談してリスクや効果を十分に理解することが必要です。また、治療後も定期的なメンテナンスやケアを行うことで、長く美しい結果を保つことができます。

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この記事を監修した人

征矢野 進一は、日本の医師。 長野県木曽福島町生まれ。1979年3月に東京大学医学部医学科を卒業後、1979年から1988年3月まで東京大学医学部形成外科に所属し、1988年4月に神田美容外科形成外科医院を開設。東京大学医学部附属病院の医局時代にコラーゲンの治験に携わり、日本の「注入剤によるシワ取り治療」に貢献した一人。以来長年にわたりコラーゲンやヒアルロン酸などのシワ取り注入剤の研究を重ねる。日本美容外科学会会長も務め、臨床医向けの「注入剤によるシワ取り治療」の講義を依頼され行うと共に、国内・海外で行われる美容外科学会での発表や医師向けの教科書など論文・執筆も行う。

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